iPhone 7 Plusの「ポートレートモード」を楽しく活用する方法:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(4/5 ページ)
iOS 10.1がやってきて、iPhone 7 Plusで「ポートレートモード」が追加された。これを使って撮影すると「背景がボケる」のである。どこまで使えるのかをレビューした。
ボケには前ボケと後ろボケがある……?
さて、よく「背景ボケ」っていうけれども、ボケるべきなのは背景だけじゃない。ピントが合っているエリアの前と後ろの両方がボケるのである。
iOSの被写界深度エフェクトはどうか。残念ながら、ボケるのは後ろだけでありました。この写真、顔にフォーカスを合わせて撮ったわけで、背景がこれだけボケるのなら、前に突き出している指もボケねばならないのである。
でも前に突き出した指は、エフェクトとは無関係の通常のボケ具合止まり。被写界深度エフェクトは背景をボカす機能だと思った方がいい。でも背景のぼかし方はうまい。次の写真を見てもらえると、手前の花から遠くなるに従って徐々にボケていっているのが分かるかと思う。
でもフォーカスを奥の赤い花に合わせると手前はボケてくれないのだ。厳密にはボケているけど、これはリアルなボケで被写界深度エフェクトとは関係ないと思う。
もしかしたらβ版だからかも……そこは正式版になってみないと分かりませんな。
ボケ方やフォーカス位置は後から調整可能か?
できません。
例えば、Huaweiの「P9」や「honor 8」のワイドアパーチャ機能はどのくらいボカすか(絞り値によるシミュレーション)を撮影時に設定できたし、再生時はあとからフォーカス位置を動かすこともできる。他社の端末にもそういう機能があった。
iPhoneはどうか。その辺の細かい調整は一切できません。可能なのは撮影のタッチフォーカスと明るさの調節だけだ。
なぜなら「Apple」だから。
iPhone全体にいえることだが、機能や操作をシンプルにすることで誰でも簡単に使えるように(作ろうと)している。
カメラを起動して絞り値はどのくらいにセットすると、どのくらいボケるから、じゃあここはそうしよう、という細かい操作は、好きな人は好き。だけれども多くの人は、自動的にやってくれてそれでうまくいけば一番いい、と考えているわけで、iOSの被写界深度エフェクトなんかはまさにそういう人向きなのだ。
これは機能のよしあしというよりは、作る側の考え方の問題であり、あえてそういう機能をつけてないのだと私は思っている。それはそれでよし。使ってみて特にボカし具合を変えたいとか思わなかったし。
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