Xperia XZのカメラはどこまで進化したのか――iPhone 7 Plusと画質比較:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)
「Xperia XZ」のカメラには、新技術があれこれ搭載されてきた。目指したのは「速くて正確で高画質」。iPhone 7 Plusとの比較も交えながら見ていきたい。
スマホカメラの世界もなかなか激戦で、「iPhoneかXperiaか?」ってところにGalaxyが伸びてきて、かと思いきや、2016年は「HUAWEI P9」の評判が特によくてトップ争いに入ってきた。
さあXperiaはどうするか。最新モデル「Xperia XZ」は、イメージセンサーなど基本的なところは前モデル(Xperia X Performance)と変わらないが、新技術があれこれ搭載されてきた。
目指したのは「速くて正確で高画質」。基本性能の底上げだ。
3つのセンサーってなに?
Xperia XZを見て最初に気になったのが、カメラの下に付いている長細いエリア。
一番下がフォトライトだ、ってのは分かる。その上の白い丸いパーツは何? 一番上は何かありそうに見えるけど、何が入っているの?気になるでしょ。
今回はそこから話を始めよう。ポイントは、公式サイトでうたっている「3つのセンサー」。これはいったいどれが何をしていて、何に役立っているのか。
こうである。
一番上にある「イメージセンサー」はまあ要するにカメラ部である。1/2.3型で2300万画素の「Exmor RS for mobile」。積層型というソニー独自のセンサー。これはイメージセンサーの構造の話なので、まあユーザーは気にしなくていい。
ポイントは1/2.3型は一般的なスマホのカメラより大きくて、普及型コンデジと同じサイズであることと、2300万画素もあること。画素数って多ければいいってもんじゃないけど、iPhoneの2倍弱である。
このセンサーは「像面位相差AF」に対応している。これはAFを速くする。昔はセンサーが捉えた画像情報を元にフォーカスを合わせていたのだが、像面位相差AFはイメージセンサー上に距離を測るAF用の素子を混ぜることで、AFの高速化を図るという技術だ。数年前から一般的になり、iPhoneでも搭載している。
ただ、そのAF専用の素子はすっごく小さい。小さいので光が弱い場所とツラい。そこで搭載されたのが「レーザーAFセンサー」。
上の写真をよーく見ると、真っ黒の中に2つ穴が空いている。片方からレーザー光(目には見えません)を出し片方で受ける。それによって被写体との大体の距離を判別する仕組み。
レーザー光の有効範囲は1mくらいだが、それがミソ。カメラのAFって光学的な特性上、被写体が近ければ近いほどピントがシビアになり、AFに時間がかかる。だから1m以上(遠距離)か以下(近距離)かが分かるだけでもAF速度が全然違うのだ。
実際に試してみると、明るい部屋程度なら差はでないが、暗い場所になると確かにレーザーAFの方が早い(レーザーAFセンサーを指でふさいだり離したりして試すと分かる)。
次のRGBC-IRセンサーはホワイトバランス用。IRは赤外線のこと。普通はイメージセンサーが捉えた画像でホワイトバランスを決めるのだが、どうしてもそれだけでは色がずれやすいシチュエーションがある。そのときこのセンサーが赤外線を検知して、色を正確に合わせるのだ。
日中屋外のようなよい条件だとこれがあってもなくても関係ないが、日陰や人工照明下での色の再現性が上がるし、蛍光灯下での微妙な緑かぶりなんかも防いでくれる。
どちらも撮影条件が悪いときに初めて仕事をするので、普段は目立たないけれども、さりげなくAFの速さと色の再現性の高さを実現してくれるのだ。
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