世界初のスマホも Samsung Innovation Museumに展示されていた歴史的な携帯電話たち:山根康宏の海外モバイル探訪記
Samsung Electronicsの本社(韓国スウォン市)内にある「サムスン・イノベーション・ミュージアム」を訪れました。電気や通信の歴史を学べる場所です。もちろん歴代のSamsung製品もずらりと展示されています。
今回はSamsungの「S/I/M」を訪れました。「SIM」といっても携帯電話に挿す「SIMカード」のことではありません。S/I/MとはSamsung Electronicsの本社(韓国スウォン市)内にある「サムスン・イノベーション・ミュージアム」のこと。ここは同社だけではなく電気や通信の歴史を展示する、ちょっとした博物館になっています。
Samsungは古くから冷蔵庫などの白物家電も手掛けていましたし、テレビなどのAV製品も得意とします。テレビの歴史を振り返るコーナーには、ソニーなど各社の古い製品も並びます。そして今やSamsungを支える携帯電話のコーナーへ行くと、歴史的な端末もずらりと並べられているのです。
ちなみにSamsungは今もノートPCをグローバルで販売していますが、はるか昔には持ち運び可能なラップトップを出していたこともありました。ある意味この製品がSamsung初のモバイル端末といえるかもしれません。
さてスマートフォン、携帯電話関連の展示では、まずは歴代のオリンピックモデルに注目です。Samsungは1998年の長野冬季オリンピックから公式スポンサーになっていますが、それ以来全てのオリンピックで限定モデルとなる携帯電話やスマートフォンを出しています。
1998年モデルはSamsung製品ながら型番が「N」ということで、分かる方には分かる製品ですね。2006年のトリノでは小型スライドのブルーブラックフォンになるなど当時の最新モデルが採用されています。2010年バンクーバーはタッチフォン。そして2016年のリオでは日本でも発売された「Galaxy S7 edge」の限定モデルが登場しています。
携帯電話全体の歴史コーナーでは、歴代の名機がずらりと並びます。そのいくつかをご紹介します。
1985年のNokiaの「Mobira Talkman」。携帯電話黎明(れいめい)期の自動車電話です。発売時の価格は5000ドル、当時のレートで100万円。それでも人気製品だったとのこと。
1994年のIBM「Simon」は三洋電機が製造。タッチパッドとアナログ携帯電話を内蔵し、カレンダーや手書きメモなどをスタイラスペンで操作可能なスマートフォンの原型ともいえる製品です。PCMCIAカードが利用可能でした。
1996年のNokiaの「Nokia 9000 Communicator」はGSM方式の携帯電話を内蔵していて、本体を横に開くと大きいディスプレイとQWERTYキーボードが現れます。これ1台でメールやSMS、FAXもできるという、どこでもオフィスな環境を提供できました。筆者が個人的に大好きな製品です。
1999年のSamsungの「SPH-WP10」は、世界初の腕時計型携帯電話。日本の「WRISTOMO」が2003年ですから、それより前の登場です。スマートウォッチの元祖といえる製品かもしれません。
このようにS/I/MにはSamsung以外の各社の製品も展示されていて、携帯電話とスマートフォンの20年以上にも及ぶ歴史を学べます。毎週土曜日は予約なしでの訪問も可能。スマートフォンの過去を知りたいと思う人はぜひ訪問したいミュージアムです。
オマケ
スウォンの敷地内にある研究開発センターのR3ビルでは、携帯電話やネットワーク関連の研究が行われています。2001年に建てられたこのビルの外観は、当時の携帯電話のスタイルを模したものになっているとのこと。屋上に見える突起状の部分は携帯電話のアンテナをイメージしたそうです。見方によっては確かに携帯電話っぽくも見えますね。
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