HTC20周年に“最強のスマホ”を投入する 「HTC U11」「LINK」の狙いを児島社長に聞く(1/3 ページ)
HTCの新しいフラグシップスマートフォン「HTC U11」が日本で発売される。デザインを一新し、握って操作できる「エッジ・センス」を提案した。そのU11と接続するVR HMD「LINK」も含め、新製品の狙いをHTC NIPPON児島全克社長に聞いた。
デザインを一新し、握って操作できる「エッジ・センス」を提案したフラグシップモデルが、HTCの「HTC U11」だ。同端末は日本国内での発売も予定されており、大手キャリアが販売する予定。日本市場限定の取り組みとして、HTC U11に接続できるVRヘッドマウントディスプレイの「LINK」も発表された。この最新モデルに賭ける意気込みを、HTC NIPPONの児島全克社長に聞いた。
エッジ・センスは自然な動きで操作できる
―― HTC U11ですが、日本ではどのように展開していくのでしょうか。
児島氏 今回は、HTCの20周年ということもあり、全ての機能で妥協を許さず、最強を狙っています。カメラもしても、(DxOのスコアで)最高値を取れましたし、音も社内では歴史があり、長い期間蓄積したことでここまで来ることができました。全精力で最高の物を作るというのがベースにあります。私たちは、インベンション(発明)を持って、イノベーション(革新)を起こしたい。特徴であるエッジ・センスや、他では作ることのできないLINKをひっさげ、大々的に日本で新しい未来の世界を見せていきたいと考えています。
―― 今お話のあった、エッジ・センスですが、これはどういった発想から生まれた機能なのでしょうか。
児島氏 皆さんが端末をまず持つ――この動作が何かのUX(ユーザーエクスペリエンス)になればいいという発想です。
今は軽く握る、長く握るの組み合わせですが、このあと、いろいろな組み合わせがもっと出てくると思っています。それを自然なモーションでできるのが特徴です。お客さまが新しいUI(ユーザーインタフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)で戸惑ったり、使いにくいと思ってしまったら、全てが台無しです。本当に使いやすいものに厳選して、1つ1つお客さまが欲しいものに沿ってエンハンス(強化)していきたいですね。
―― 発表会では、音声を使ったAIへの対応も売りにしていましたが、日本では現状、Google AssitantもAlexaも利用できません。
児島氏 時期は未定ですが、GoogleにしてもAmazonにしても、日本語化はしていきます(注:インタビューはGoogle Assitantの日本語化発表前である5月17日に実施した)。そのときには、いち早くわれわれの技術を組み合わせて使えるようになると思います。
―― AIは基本的にGoogleなり、Amazonなりのものを使うということですが、サムスンのように自社開発はしないのでしょうか。
児島氏 HTC独自のものとして、センス・コンパニオンが入っています。これはその人の行動などを見て、朝何時に起き、ここに行った後はここに寄るといったような情報を独自利用しているものです。自然会話をベースにした音声のAIはGoogleやAmazonを使っていますが、ビヘイビアー(行動)から自動で使いやすいものを提案する機能とは、コワーク(協調)できると考えています。
金属にガラスのイノベーションをプラスした
―― デザインが一新されましたが、これは狙っているユーザー層や、注力するリージョンが変わったということでしょうか。
児島氏 そういった理由ではありません。まったく新しいデザインといっても、実際には金属がベースになっていて、ガラスの下に入っています。これは、加工の経験を十分積んだからこそできることです。今回のデザインは、そこにプラスして、ガラスのイノベーションを組み合わせて、新しい色やデザインを作れないかというところから来ています。
―― デザインを見ていると、HTC J butterflyをほうふつとさせます。やはり日本市場での経験は生きているのでしょうか。
児島氏 そうですね。特に赤は、日本向けに作ったものです。
―― リリースを見ると、日本市場では赤が出ないようですが……。
児島氏 ご要望の声が上がれば、ぜひ出していきたいと考えています。
―― 日本でのプロモーションには、「攻殻機動隊ARISE」を使うというお話もうかがいました。かつて乃木坂46を起用した際は、大規模なマーケティングを行いましたが、今回はどの程度の規模を考えているのでしょうか。
児島氏 今回はやり方を変え、デジタルベースでプロモーションしていこうと考えています。それは、攻殻機動隊のプロモーションだったり、新しい機能や世界観、人工知能のようなものを面白いと思っていただける方にリーチできる形です。テレビCMは老若男女、みんなが見ますが、今回はどちらかと言えばファンの方を広げていくような形で、デジタルを駆使したPRを仕掛けていきたいですね。
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