「d払い」を実際に使ってみて分かった、メリットとデメリット:モバイル決済サービスの使い方(2/2 ページ)
ドコモが提供している「d払い」は、バーコード/QRコードを読み取ってもらうことで買い物ができるサービス。dアカウントがあれば利用でき、ドコモ回線の契約がなくても利用できる。実際に使ってみて感じたメリットとデメリットをまとめた。
メリット:使い始めるのが本当に簡単
d払いの魅力は、クレジットカードを持てない/持ちたくない人でもスマホだけで支払いができることだろう。プリペイドカードのようにチャージしなくていいのも便利だ。申し込み不要で、アプリをダウンロードし、簡単な初期設定だけで使い始められる。決済サービスを使う場合、個人情報の入力が面倒に感じることもあるが、d払いはそれが最小限で済む。うっかりお財布を家に忘れたときに使い始めてもいいくらいだ。
子供でも勝手に利用できてしまうが、未成年の場合は利用限度額が1カ月1万円までに制限されるなど、使い過ぎを防ぐ策もしっかり用意されている。
機種変更の際も、電子マネーがチャージされているわけではないので、特にするべき手続きはない。アプリを削除しても、またインストールしてdアカウントなどでログインすれば、同じように利用を再開できる。dアカウントさえあれば、他キャリアやMVNOのユーザーでも、またドコモを解約した後でも利用できる。ただ、その場合はクレジットカードの登録が必要だ。
d払いは、他の決済サービスにありがちな面倒な初期設定が一切なく、機種変更時にも注意を払わなくていいところが非常に楽だと感じた。
不満点:実際の支払い時には手間がかかる
d払いは手軽に始められるキャッシュレス決済だが、おサイフケータイを使っている人間からすると、実際に使う場面では面倒だと感じる部分が多い。まず、アプリの起動が面倒だ。スマホをかざすだけのおサイフケータイに対し、d払いはスマホの画面ロックを解除し、アイコンをタップしてd払いアプリを起動し、バーコード/QRコードが表示されるまでに3〜4秒待たないといけない。急いでいるときには、この手順が長く感じる。店員さんを待たせて慌てたり、後ろで待っている人をイライラさせたりしないために、適切なタイミングで起動するようにしたい。
また、d払いはネットワークに接続できないと使えない。万が一、地下深いお店で電波が届かない、電波強度が弱いといった場合に、スムーズにバーコードを表示できない可能性も、ないとはいえない(そういうお店がd払いを導入するとは思えないが)。おサイフケータイの場合は、電波環境がなくても支払いができる。
さらに細かい部分だが、d払いを店舗で使うと、dポイントは200円につき1ポイントたまる(d払いをネットで利用した場合は通常100円につき1ポイント)。これはこれでうれしいが、dカードでiDを使えば100円で1ポイントたまる。今、おサイフケータイでiDを利用している人が、無理にd払いを使う必要はないと感じた。利用できるお店も、今はiDの方がずっと多い。
【訂正:2018年7月26日11時18分 「iDだったら100円で1ポイントたまる」を「dカードでiDを使えば100円で1ポイントたまる」と修正しました】
どんな人にお勧めか
d払いをお勧めしたいのは、やはりクレジットカードを持てない/持ちたくない人だ。プリペイド型サービスのようにチャージも必要ない。d払いアプリをインストールしておけば、本当にスマホ1台をポケットに入れておくだけで、すぐに買い物ができる。うっかりお財布を持ってくるのを忘れたというときも、d払いアプリをインストールすれば支払いができる。
また、d払いを導入するお店にとっては、おサイフケータイより導入が簡単なので、おサイフケータイに対応するのが難しい、個人商店など小さなお店でd払いが広がる可能性はある。リクルートの「Airレジ」などがd払いに対応しており、初期コストは限りなく低い。例えば美容院がd払いに対応したら、お財布の管理を心配することなく、スタッフもお客も、もっとリラックスできていいだろうと思う。
一般の利用者側の視点では、クレジットカードが不要、手続きが簡単という以外に、おサイフケータイを超えるメリットはないと感じたが、お店側には、導入コストが低いという大きなメリットがある。今のQRコード決済拡大の流れに乗ってd払いが広がっていけば、利用できる場所も増え、非おサイフケータイユーザーにとって使いやすいサービスになってくるだろう。
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