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ドコモとAGCが「窓の基地局化」に成功 室内側から貼り付けできるガラスアンテナを共同開発
NTTドコモとAGCは、11月7日に既存窓ガラスの室内側から貼り付けできる電波送受信可能な「ガラスアンテナ」を共同開発したと発表。これにより景観を損ねない「窓の基地局化」が世界で初めて可能になる。
NTTドコモとAGCは、11月7日に世界初となる「窓の基地局化」の成功を発表した。
両社は既存窓ガラスの室内側から貼り付けでき、電波送受信が可能なスモールセル向けガラスアンテナを共同開発。AGCが保有する既存窓の表面にガラスを貼り付ける「アトッチ工法」を採用し、足場設置や土台工事を必要とせず室内の窓面に設置できる。また、透明・透視性のある導電材料とガラスを組み合わせており、景観や室内デザインを損なわずに設置可能としている。
ガラスに近づくことにでガラスアンテナの性能が変わる影響を抑え、アンテナ本来の持つ性能を引き出す技術「Glass Interface Layer(グラス インターフェイス レイヤー)」を新たに開発。窓ガラスを通過した際に電波が減衰・反射するという課題も解決した。
ガラスアンテナのサイズは700mm×210mm、重量は1.9kg。TDD-LTE/3.5GHz帯(BAND42)、4×4MIMOに対応し、帯域幅は40MHz、下り変調方式は256QAM、最大スループットは588Mbps。
2019年上期から、LTEの周波数帯の基地局へ本ガラスアンテナを展開していく予定で、5Gに対応したガラスアンテナの開発も検討していく。
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