「ドコモの値下げ」に対抗する? 「48回払い」はどうする?――KDDI決算説明会 一問一答
KDDIが2018年度第3四半期の決算を発表した。総務省の研究会が「緊急提言」を行ったり、ライバルのNTTドコモが基本料金の「2〜4割程度値下げ」を打ち出したりする中、KDDIはこれらにどう対処していくのだろうか。記者と高橋誠社長との一問一答の様子を見てみよう。
既報の通りKDDIは1月31日、2018年度第3四半期決算を公表。同日、報道関係者向けの決算説明会が行われ、高橋誠社長が決算について説明した。
この記事では、説明会における報道関係者と高橋社長との質疑応答のうち、総務省の研究会による緊急提言や、NTTドコモの料金値下げ宣言に関するやりとりを簡潔にまとめる。
中古端末を「積極的に扱うことは考えていない」
―― 総務省が端末代金と通信料金の分離を打ち出したことで、端末の販売価格が上がることが見込まれます。(販売価格の上昇に対する対策として)auで中古端末を扱う可能性はありますか。
高橋社長 ご指摘の分離プランについて、auでは「auピタットプラン」「auフラットプラン」という形で導入しています。今後、ドコモが今年の春(2019年度第1四半期)に分離プランを導入するとのことですが、このことによって、端末の流動(売れ行き)にどのような影響が出るかは読み切れません。
ただ、過去に分離プランを導入した際に流動性が落ちた(端末の売れ行きに悪影響が出た)ことは事実としてあるので、環境を見極めながら適宜対応したいと考えています。
中古端末については、現時点において積極的に扱うことは考えていません。
ドコモの値下げには「踏み込まれたらしっかり対応」
―― 総務省の緊急提言を受けて、今後料金プランをどのような方向に持っていきたいと考えていますか。ドコモ(の値下げ)への対抗や、契約スパン(期間)の考え方と合わせて聞かせてください。
高橋社長 前回の決算説明会でも紹介しましたが、私たちはおととし(2017年)の夏にピタットプランとフラットプランを導入して、(累計で)約3800億円ほどの還元を行いました。
ドコモは今年(2019年)の4〜6月くらいに分離プランを入れるとのことで、私たちのピタットプランやフラットプランと同等の料金水準であればいいな、と思ってはいます。ただ、、(auの料金プランよりも)もう少し踏み込んでくるのであれば、これは“競争”ですからしっかりと対応していきたいと考えています。
緊急提言でご指摘いただいている点について、私たちが既に分離プランを導入していることは総務省にご理解いただいていると認識しており、そこは問題ないだろうと考えています。
「2年契約」や「4年契約」といった部分(定期契約)の条件については、今の国会(第198回国会)において法制度の見直しを行って、それに伴う新しいガイドラインが秋に制定される見通しであると聞いています。料金を分かりやすくしなければいけないということで、(新ガイドラインへの対応に向けて)議論を進めていきたいと考えています。
48回払いの割賦は「流動性を低くしないため」
―― 先ほどの質問とも関連するのですが、総務省が「4年縛り」と呼んでいる48回払いの割賦(にひも付いた端末買い換えプログラム)について、公正取引委員会の指摘を受けて改善している面もあると思います。しかし、総務省はまだ“よろしくない”と見ているようです。
今後、法改正もあると思うのですが、この件についてお考えがあるようでしたら教えてください。
高橋社長 4年契約(アップグレードプログラムEX)については、1月16日付で再契約条件を撤廃しました。一方で、「機種変更が必要」といった条件について課題があるのではないかという指摘も(総務省から)受けています。
そもそも私たちが48カ月のプラン(アップグレードプログラムEX)を導入したのは、分離プランの導入によって端末価格が高くなって、(その結果)お客さまの流動性が落ちると困るからです。総務省の指摘は、「これ(48回払いと端末下取りを組み合わせた買い換えプログラム)をやりすぎると(かえって)流動性が落ちる」というものだと考えています。
どうすれば、お客さまに端末を届けやすくなり、分かりやすいサービスになるのか、総務省が出される法改正の内容や(それに伴い出される)ガイドラインを踏まえて検討していきたいと思います。
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