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Huaweiが米政府を提訴 「セキュリティ脅威の証拠を示せていない」

Huaweiが3月7日、米連邦裁判所に、国防権限法899条の合憲性を問う訴訟を提起した。Huawei製品の販売を制限する措置が違憲であることと、制限措置の禁止を訴える。記者会見でHuawei幹部は、セキュリティの脅威となる証拠を示せていないことを強調した。

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 Huaweiが3月7日、米連邦裁判所に、国防権限法899条の合憲性を問う訴訟を提起した。Huawei製品の販売を制限する措置が違憲であることと、制限措置の禁止を訴えていく。

 国防権限法889条では、米政府機関に対してHuaweiの製品やサービスの購入を禁止するだけでなく、Huaweiの製品やサービスを購入した企業との契約締結や融資も禁止する。米議会が立法だけでなく法の裁決と施行まで行おうとしているため、合衆国憲法の三権分立の原則にも反している、とHuaweiは訴える。

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 Huaweiは7日に中国・深センでプレスカンファレンスを開き、提訴の意図を説明した。取締役副会長兼輪番会長の郭平(グオ・ピン)氏は「米議会は過去に一度たりとも、Huawei製品を制限するに値する証拠を示せていない。そのため、最後の手段として法的措置をとることにした」と説明する。また「米国はわれわれに説明のチャンスを与えていない」と疑問を呈した。

 郭氏は5Gインフラについても言及し、「他国にHuawei製品の使用を禁止する意図に疑問を抱かざるを得ない。他国が(Huaweiの)高度な5G技術を使用して、米国を追い越すことが心配なのだろうか」との見方も話した。「米政府は、Huaweiを封じ込めることで何らかの利益が得られるという誤った認識を持っているかもしれないが、Huaweiの5Gネットワークを活用することは、全ての国の利益になる」(同氏)

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記者会見は、折りたたみスマートフォン「HUAWEI Mate X」を使って行われた。写真は左から宋柳平(ソン・リウピン)氏と郭平(グオ・ピン)氏

 Huawei最高法務責任者の宋柳平(ソン・リウピン)氏は「889条の仮説は事実に反している。Huaweiは中国政府が所有しているわけではなく、その支配や影響下にもない」と説明。郭氏と同じく、米国はセキュリティの脅威となる証拠を示せていないこと、米政府に対して説明の機会が与えられなかったことを改めて強調した。

 Huaweiグローバルサイバーセキュリティおよびプライバシー保護責任者のジョン・サフォーク(John Suffolk)氏は「Huaweiへの制限措置は米国市場の競争欠如につながり、消費者は性能の劣る製品に高額な対価を支払うことになる。業界の予測によると、Huaweiが(排除された)市場に参入できれば、無線インフラの整備コストは15%〜40%削減でき、北米の通信事業者は4年間で総額200億米ドル(約2兆2328億円)を節約できる」とコメントした。

 郭氏は「Huaweiには、米国政府が持つセキュリティ上の懸念を解消する用意がある。制限措置が取り消されれば、米国政府とHuaweiは真のサイバーセキュリティ問題の解決に向けて、ともに取り組める」と訴えた。

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