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大きく路線変更した「Xperia 1」のカメラ その中身を解説(2/2 ページ)

「Xperia 1」のカメラは、従来機から大きく路線変更したことがよく分かった。トリプルカメラや暗所撮影機能の向上は、真新しいものではない。しかし、動画撮影については、クリエイターを意識した機能を盛り込んできた。

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クリエイターのためのスマートフォンとは

 今回の発表で何度も出てきたのは「クリエイティビティの実現」や「クリエイターのため」という言葉、そして「好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを」というコピーだ。

Xperia 1
「好きを極めたい人々に」というワードが出た

 こうしたコンセプトが一番具体的に現れたのが、動画撮影機能だ。

 通常のカメラモードでは4K動画までしか撮れないのだが、専用アプリ「Cinema Pro」を使うと16:9ではなく21:9の「DCI-4K」で秒24コマで撮れる。DCI-4Kはデジタルシネマ用の規格で、通常の4Kが3840×2160ピクセルなのに対し、4096×2160ピクセルと少し横長なのだ。

 それを秒24コマというデジタルシネマと同じフレームレートで撮る。

Xperia 1
撮影用のCinema Proアプリ
Xperia 1
Cinema Proで撮影中

 Cinema Proにはソニーの映画撮影用ビデオカメラ「CineAlta」の技術が生かされている。同シリーズのカメラ「VENICE」に合わせた画作りの設定8つを用意し、ホラーやコメディーなど内容に合わせて調整できる。アプリではVINICEと同じUI(ユーザーインタフェース)や用語を使い、VENICEと同時に使っても違和感ないという。

 有機ELディスプレイもBT.2020の色域に対応し、マスターモニターの技術による画質モードも持っており、映像製作の現場でサブモニターとして、あるいはサブカメラとして使える。あるいはハイアマチュアがデジタルシネマのような映像作品を撮るのに使うことを想定している。

Xperia 1
鑑賞するときはBRAVIAの技術による記憶色重視で、編集するときはマスターモニターの技術で

 Xperia 1の体験会から感じたのは、映像や写真やその他コンテンツを視聴して楽しむスマートフォンではなく、クリエイトするスマートフォンを目指したいということ。

 さらに今回はα7シリーズと連携したプロ向けのワークフローも発表された。

Xperia 1
α7シリーズ(α7III以降の機種となるが)と組み合わせたワークフローも

 私が知っているのはスチルカメラの世界だが、スチルカメラの世界ではソニーはいち早く廉価な普及型デジタルカメラではなく、高価だが高性能なハイエンドカメラ(その代表がα7だ)に軸足を移して成功したわけで、Xperia 1もそういう方向を向いたハイエンドなシリーズを目指すのだろう。

 今のスマホカメラはデジタル処理によって誰でも見栄えのする写真を失敗なく撮れる方向がトレンドだが、そちらの方向へは行かないという。「クリエイターのためのハイエンドスマートフォン」という万人向けとは言いづらいジャンルだけれども、ソニーらしいスマートフォンになりそうで、実機を触るのが楽しみである。

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