Smart KeyboardやiPadOSの使い心地は? 第7世代「iPad」(3万4000円〜)のコスパを検証する:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
9月30日に発売された第7世代「iPad」は、現行モデルの中では最も低価格で、Wi-Fi版は3万4800円(税別)から購入できる。Apple Pencilに加え、新たにSmart Keyboardの利用が可能になった。出荷時からiPadOSを搭載していつのも特徴だ。このiPadのファーストインプレッションをお届けする。
Smart Keyboardの使い心地や、パフォーマンスは?
Smart Keyboardは、充電が不要で、取り付けるだけですぐに文字を打ち始められるのがメリット。サードパーティーやApple自身の販売するBluetoothキーボードも接続できるが、気軽さではSmart Keyboardに軍配が上がる。PCに比べ、軽くて持ち運びやすいiPadの特徴を引き出すキーボードといえる。Smart Keyboardはカバー代わりにもなるため、キーボードの利用が多い人は、常時接続しておいてもいい。取り外しも簡単で、電子書籍を読んだり、ネットを閲覧したりと、受け身の使い方をするときに外しやすい点も評価できる。
その形状ゆえに、キーストロークは浅く、キーを打つとペチペチした感触が指に伝わってくる。打ち心地は、一般的なPCのキーボードにはかなわないというのが、率直な感想だ。また、筆者は普段、iPad Pro用のSmart Keyboard Folioを利用し、取材時のメモや、短い原稿の執筆などをしているが、世代が1つ新しいこともあり、こちらの方がキーストロークがやや深いのか、素早くキーを打つことができる。
とはいえ、長文がまったく打てないというわけではない。2000文字程度の原稿なら十分作成できたし、ある程度打ち間違えを許容すれば、素早くメモを取ることも十分できる。
プロセッサは第6世代のiPadと同じ「A10 Fusion」を搭載する。iPhone 7に搭載されているものと同じため、世代は少々古いが、ブラウジングや映像視聴がもたつくといったことはない。ただし、Lightroomを使った1枚約3MB程度の写真を4枚書き出した場合、iPad Proが約4秒で終わるのに対し、第7世代のiPadは12秒程度かかったのは処理能力の違いを表している。
今回は試せていないが、GPUやニューラルエンジンの性能を限界まで使ったようなアプリもさすがに厳しいかもしれない。とはいえ、文章を作成したり、Apple Pencilで絵を書いたりするには、必要十分なパフォーマンスで、Lightroomも数枚程度の現像であれば、不満を覚えるほどではない。軽めの作業をするには、十分なスペックといえる。
ベンチマークアプリの「Geekbench 5」で計測したスコアは、以下の通りだ。シングルコアスコアは767、マルチコアスコアは1418で、やはりiPhone 7とほぼ同じ数値を示した。シングルコアスコアについては、10.5型版の旧iPad Proに近いが、マルチコアスコアで差をつけられている。10.5型版iPad Proに搭載されたA10X Fusionは、iPad用にCPUとGPUともに強化しているためだろう。
ちなみに、Geekbenchが示したメモリの容量は3GBで、2GBだった第6世代のiPadよりスペックが上がっている。マルチタスクの機能が強化されたiPadOSを快適に動かすためのアップグレードと見てよさそうだ。GPUの処理能力を示すMetalスコアも2809で、こちらもiPhone 7相当の性能だ。
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