Smart KeyboardやiPadOSの使い心地は? 第7世代「iPad」(3万4000円〜)のコスパを検証する:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)
9月30日に発売された第7世代「iPad」は、現行モデルの中では最も低価格で、Wi-Fi版は3万4800円(税別)から購入できる。Apple Pencilに加え、新たにSmart Keyboardの利用が可能になった。出荷時からiPadOSを搭載していつのも特徴だ。このiPadのファーストインプレッションをお届けする。
iPadOSの登場で、よりPCらしく使えるように
第7世代のiPadに限った話ではないが、iPadOSは、使い勝手も大幅に向上している。一言で言えば、タブレットらしさとPCらしさを、うまく融合させたOSがiPadOSだ。縦向きに持ったときには、従来のiPadとそん色なく利用できる一方で、Smart Keyboardを装着し、横にしたときにはマルチウィンドウで複数のアプリを同時に開いたり、ホーム画面にウィジェットを常時表示させたりといったことができる。
マルチタスク機能は、以前からSplit ViewとSlide Overの2つを備えているが、どちらにも新機能が加わっている。まず、Split Viewは、同一アプリの2画面表示に対応した。操作方法も簡単。メールアプリであれば、一覧から別画面で開きたいメールを選び、ドラッグして画面の左右の端に持っていくと、画面が2つに分割される。メモアプリも、同様の操作でSplit Viewになる。Dockに登録してあるアプリのアイコンをドラッグして、画面の端に持っていく方法でも、同じアプリを2つ同時に開くことができる。
もう1つのSlide Overは、開いているアプリの上に、縦長の別アプリを重ねて表示する機能のこと。こちらは複数のアプリをあらかじめ開いておけるようになった。切り替えは、iPhoneのように、画面下の表示されたバーを左右にフリックするだけ。クルクルと滑らかにアプリが切り替わり、小気味よく操作できる。文章をメインのアプリで書きながら、資料となるサイトをSafariで表示させておき、メールが届いたらサッとアプリをフリックで変更するといった使い方をするときに、重宝する機能だ。
PCのようなマルチウィンドウには対応していないが、iPadのディスプレイサイズだと、あまり多くのアプリを開けない。切り替えを効率よくできた方が、かえって操作性がよくなるというわけだ。
ホーム画面にウィジェットを表示できるようになったのも、iPadOSの特徴。1画面目と制約はあるが、常時表示にも対応する。アプリを終了してホーム画面に戻ったときに、サッと天気や次の予定を確認でき、大きなiPadのディスプレイを、無駄なく活用できる。これまでのiOSでは画面をスワイプしてウィジェットを呼び出す必要があり、あまりウィジェットの意味がなかったが、常時表示が可能になったことで、活用の幅が広がったと。他にも、ファイルアプリでフォルダやファイルの圧縮・解凍が可能になったり、Safariが表示するサイトがデフォルトでPCビューになったりと、ハードウェアとしてのiPadを生かしたアップデートが多い印象を受ける。
こうした新機能の数々を、わずか3万4800円〜で使えるのが、第7世代iPad最大の魅力だ。今までiPadを未体験だった人でも入門機として気軽買うことができ、その性能には太鼓判を押せる。ヒットした第6世代のiPad以上に、iPadユーザーの裾野を広げる1台になりそうだ。ただし、Smart KeyboardやApple Pencilを別途購入すると、第7世代のiPadとの合計で6万円を超えてしまう。コストパフォーマンスを求めるのであれば、これらのアクセサリーが本当に必要かどうかは、慎重に検討したい。
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