シニアの半数がスマホへ乗り換え意向あり きっかけ上位は「3G回線の終了」――MMD研究所調べ
MMD研究所が、シニア(60〜79歳)を対象に行った「シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」の結果を公表した。調査当時にフィーチャーフォン(ケータイ)を利用していた人のうち、48.2%がスマートフォンへと乗り換える意向があると答えたという。
MMD研究所は8月10日、シニア層(60〜79歳)を対象に行った「2021年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」の結果を公表した。
調査の概要
今回の調査では、60〜79歳の男女1万人を対象に予備調査を実施し、そこから「スマートフォンメイン利用者」「スマートフォンへ乗り換え検討しているフィーチャーフォンまたはガラホ(LTEケータイ)所有者とスマートフォンの新規契約を検討しているモバイル端末未所有者」「スマートフォンへの乗り換えまたは新規契約未検討者」をそれぞれ500人ずつ抽出して本調査を実施している。調査は7月16日から20日にかけて行われた。
スマホ利用率は向上
予備調査時点で「モバイル端末の所有」について尋ねたところ、所有率は93.8%となった。メインで利用している端末の内訳は、スマートフォンが84.7%、フィーチャーフォンが11.4%、ガラホが3.9%だった。
2020年の調査と比較すると、スマートフォン利用者は77.0%から7.7ポイント増加し、フィーチャーフォン利用者17.3%から5.9ポイント減少している。
乗り換え移行は約半分
フィーチャーフォンまたはガラホ利用者を対象に、スマートフォンへの乗り換え意向を聞いたところ、「いますぐにでも乗り換えたい」が2.5%、「いますぐにではないが、乗り換えを検討している」が45.7%と、合わせて48.2%のシニアが乗り換え意向があると回答した。
一方、スマートフォン所有者を対象に、「新型コロナウイルス感染症」に伴う外出自粛期間中にスマートフォンを活用して新しく始めたこと/する頻度が増えたことがあるか聞いたところ、58.2%が「ある」と回答した。その内容を複数回答で聞くと、「オンラインショッピング」が16.8%、「家族・友人との音声通話」と「散歩」が14.9%となった。
スマホへの乗り換えのきっかけは?
本調査において、スマートフォンメイン利用者を対象にスマートフォンの利用を始めたきっかけを複数回答で聞いた所、「LINEなどのコミュニケーションツールを使いたかったから」が25.8%と最も多く、次いで「家族に勧められたから」が22.4%、「地図、ナビゲーションを利用したかったから」が19.8%となった。
合わせて、スマートフォンへ乗り換え検討しているフィーチャーフォン/ガラホ所有者と、スマートフォンの新規契約を検討しているモバイル端末未所有者を対象に、スマートフォンを利用してみたいと思ったきっかけを複数回答で聞いた所、「3G回線がもうすぐ終了するから」が27.8%、「災害などの際に持っていたほうがいいと思ったから」が22.4%、「地図、ナビゲーションを利用したかったから」が19.8%となった。
スマホに乗り換えない理由
スマートフォンへの乗り換えを検討していない人を対象に、その理由を複数回答で聞いたところ「PCを持っており、それで十分だから」が48.8%、「通信料金が高そうだから」が30.6%、「今使っている携帯電話の機能で十分だから」が30.2%となった。
関連記事
- 新型コロナの影響でシニアのスマホ利用は増えた? MMDの調査
MMD研究所は、8月21日に「第2弾 2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」の結果を発表した。フィーチャーフォンからスマホへの乗り換え時に期待するサポートは「簡単な使い方の冊子」「スタッフによる最低限の設定」など。 - シニアのスマホ利用者は77.0%、乗り換え検討のきっかけは「3G回線の終了」
MMD研究所は、8月6日に「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」の結果を発表。シニアのスマートフォン利用者は77.0%で、スマホを利用してみたいと思ったきっかけの最多は「3G回線がもうすぐ終了するから」だった。 - シニアの73.7%がスマホ利用「難しい」、理由上位は「類似アプリ」 イオンの調査結果から
イオンモバイルは、12月26日に「2019年11月 シニアのスマートフォン利用に関する調査」の結果を発表。シニアの73.7%がスマホ利用「難しい」と答え、難しいと感じる理由上位は「似たようなアプリがたくさんあってどれをダウンロードしていいのかわからない」とだった。 - シニアの格安SIMユーザーが増加傾向に、スマホはiPhoneが最多 MMDの調査
MMD研究所は、12月5日に「2019年10月 シニアのスマートフォン、PC利用に関する調査」の結果を発表。2018年調査と比較すると通信会社は「格安SIM」が増加し、1日あたりのスマホ利用時間は「30分未満」が最多となった。 - 2012年の12.7%から2018年は61.5%に――シニアのスマホ利用率 MMD研究所調べ
MMD研究所はシニアを対象にしたスマホとフィーチャーフォンの利用に関する調査結果を公表。スマホの利用率は2012年の12.7%から2018年は61.5%にアップ。一方、フィーチャーフォンは2012年の87.3%から2018年は38.5%に落ち込んだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.