夏のハイエンドスマホ4機種で撮り比べ(前編):超広角から望遠まで画質チェック:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(4/4 ページ)
2021年の夏は、シャープとライカが協業して生まれた「Leitz Phone 1」や、ソニーの「Xperia 1 III」などのハイエンド端末が多く発売された。いずれも特徴的なカメラ機能を搭載しており、撮影時の画像の色味もさまざま。実際に同じ場所、同じ時間に撮影して比べてみよう。
屋外に続いて屋内編
続いて屋内。大きな熊手が飾ってあったので、それを撮り比べてみた。あまり明るくはない屋内であるが、さすがにこのクラスになると多少ISO感度が上がってもびくともしない。微妙にホワイトバランスに差はあるし、微妙に背景のボケ具合(ピントは中央に合わせてある)の差は出ているけれども、これだけ撮れれば文句ないよねという写りだ。
ちなみにAQUOS R6は光学式手ブレ補正を持たないため、多少暗くても1/100秒を維持するようだ。
さらに室内といえば料理。スイーツを撮ってみた。
どれも料理と認識したが、AQUOS R6は撮影最短距離が長い(近づきすぎると「もう少し離れて撮影してください」といわれる)のはちょっと不便だ。Galaxy S21 Ultra 5Gはある程度被写体が近いと「フォーカスエンハンサー」が働いて超広角カメラに切り替わる(超広角カメラの24mm相当分のエリアだけ使うっぽい)のでここは素直にそれに従った。Find X3 Proも同様の機能を持っているんだけど、このくらいの距離だと切り替わらない。
どこまで寄れるか勝負
という感じで撮っていると、「どのくらい近寄って撮れるか」が気になってきたのである。スマホカメラを手にしたとき、身近なものをそこそこアップで撮りたいことって多いと思うし。
そこで、前編の最後はどこまで寄れるか勝負をしてみた。AQUOS R6はあまり寄れないし、すぐ「もう少し離れて撮影してください」と言われる。
そういうときは、望遠に切り替えてやると中央部を大きく取ってくれるので多少は寄れる。デジタルズームになるので多少甘くはなるが、ギリギリまで寄ってこのくらい。
Xperia 1 IIIは広角カメラでこのくらい。まあ普通だ。写りもいい感じに黒が締まっていてカッコいい。もうちょっと寄りたいときはデジタルズームで50mmくらいにするといいのではないかと思う。
Galaxy S21 Ultra 5Gは超広角カメラがマクロカメラも兼用していて、ある程度以上近づくと「フォーカスエンハンサーをON」にしてカメラが切り替わる。
で、フォーカスエンハンサーONの状態でどこまでピントが合うかなと、どんどん近寄ってみたら、ここまで寄れた。周辺部の画質がちょっと流れるけど、まあそんなの気にしない。これで困ることはまずなかろう、である。
Find X3 Proもある程度以上近づくと、自動的に「マクロレンズ」と表示され、超広角カメラに切り替わる。
これだけ寄れたら文句ない。これもよい。
前半の結論
前半はここまで。ざっくりいえば、超広角から望遠まで、どのくらい幅広いシーンに対応できるか、どこまで寄って撮れるか、といったところをチェックしつつ、画質のクセを見てきた。
スゴかったのはGalaxy S21 Ultra 5G。13mmから240mmまで、しかもマクロ撮影も強いという、超近距離から超遠距離まで撮れる圧巻の幅広さなのだった。恐るべしGalaxy S21 Ultra 5G。
続いて、広角&近距離重視ならFind X3 Pro、望遠側重視ならXperia 1 IIIか。デジタルっぽい派手目の(ちょっと人工的だけど見栄えのする)絵が好きなのか、カメラとしてナチュラルな写りが好きなのかでも評価が分かれる感じだ。個人的には、スマホカメラはもう思い切って盛り盛りの印象的な画作りでいいじゃん、とも思う。
モデル:長谷川実沙
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