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「BALMUDA Phone」の実機に触れて感じた「こだわり」と「足りないもの」 10万円超の価値はある?(1/4 ページ)

バルミューダ初のスマートフォン「BALMUDA Phone」が発表された。11月16日の発表会後、実機に触れる機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けする。BALMUDA Phoneが問いかけるのは「今のスマホは自然なものなのか」という疑問だ。

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 バルミューダ初のスマートフォン「BALMUDA Phone」が発表された。11月16日の発表会後、実機に触れる機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けする。

 バルミューダは自前の工場を持たないファブレス形式で成長してきた新興の家電メーカーで、その製品には社長でありチーフデザイナーでもある寺尾玄氏の“こだわり”が強く表れている。今回のBALMUDA Phoneも、例外ではなく“寺尾カラー”を色濃く反映した、クセのある製品となっている。

BALMUDA Phone
バルミューダ初のスマートフォン「BALMUDA Phone」
BALMUDA Phone
扇風機やトースターで名をはせたバルミューダがスマートフォンを投入した

 BALMUDA Phoneが問いかけるのは「今のスマホは自然なものなのか」という疑問だ。その形状はトレンドに反し、小さめの画面を採用している。それ以上に重要なのがそのフォルムだ。丸っこい小石のような形状で、直線を使わず、人の手に寄り添う形状に仕上げた。

BALMUDA Phone
カラーバリエーションは、ブラックとホワイトという、ベーシックな2色をそろえる

 背面に使われているのは樹脂素材だが、皮革やナチュラルウッドのように、使っているうちにかすれて深みが出てくるような風合いを目指したという。その仕掛けは、シボ(梨地)加工を施した上にさらに塗装をかけるというコーティングで、ザラザラした手触りの背面が、使い込んでくると手になじんだ革のような質感になっていくとしている。コーティング技術についてはバルミューダが特許を出願しているという。

 確かに、手に取ったときのホールド感はひと味違う。スマホを持った状態で親指を動かしても安定感を持って支えられ、板状のスマホにありがちな、操作中に親指の腹がつる違和感もない。スマホを持ったまま手を振ってみても、手に吸い付くように安定している。この持ちやすさは板状の大画面スマホではなかなかないものだ。

BALMUDA Phone
ディスプレイは平板な形状だが、やや膨らみを持たせている
BALMUDA Phone
背面は梨地加工で軽石のような手触りだ
BALMUDA Phone
背面左上の灰色の部分は、電源キー兼指紋センサーだ
BALMUDA Phone
下から見るとかなり膨らんだ形状だと分かる
BALMUDA Phone
ブラックモデルの背面
BALMUDA Phone
吸い付くように手にフィットする

“画一的なスマホ市場”に一石を投じる

 「iPhoneがスタンダードになりすぎてしまったことが、彼らの弱点であり、われわれのチャンスだと思う」――高級家電のバルミューダがスマホ市場に参入する狙いを寺尾玄社長はこう説明した。寺尾社長の目から見て、現在のスマホ市場は「あまりにも画一的」に見えるという。寺尾氏の見解は、初代iPhoneの発売以降、パイオニアとして市場を切り開いてきたAppleに、他のメーカーが追随し、あまりにも均質な板状のスマホばかりになってしまったというものだ。

BALMUDA Phone
バルミューダ社長にしてBALMUDA Phoneのチーフデザイナーでもある寺尾玄氏

 寺尾氏はもう1つ、現代社会への危惧を抱いている。寺尾氏は「スマホが人生の主役になりつつあるのではないか」と言う。スマホは便利な道具だが、その便利さゆえに、あまりにもスマホへの依存が進んでいるのではないか。目の前の人生から目をそらし、スマホの中の世界に没頭しすぎてしまう。そうした人たちが増えているのではないか、という懸念だ。

 いわゆる「デジタルデトックス」のアイテムとして、電話とSMSだけ使える「Punkt. MP02」のような携帯電話は既に存在する。BALMUDA Phoneはそれらと重なる設計思想を持ちつつも、あくまでスマホの枠内において“ニッチ”を目指した製品といえる。

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