「BALMUDA Phone」の実機に触れて感じた「こだわり」と「足りないもの」 10万円超の価値はある?(2/4 ページ)
バルミューダ初のスマートフォン「BALMUDA Phone」が発表された。11月16日の発表会後、実機に触れる機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けする。BALMUDA Phoneが問いかけるのは「今のスマホは自然なものなのか」という疑問だ。
独自アプリの作り込みはどうか
あまたあった新興スマホメーカー製スマホとBALMUDA Phoneが一線を画す部分は、「アプリも含めて体験価値」と考えている点だ。専用アプリを多く用意することで、便利に使えるようになっている。
BALMUDA PhoneはAndroid 11を搭載し、その上にBALMUDAが作成したホームアプリや基本アプリ群を搭載している。もちろん、Google Playから各種アプリをインストールすることができる。
専用アプリはカレンダー(スケジューラー)、メモ、時計といった一般的なものだ。こうしたアプリで独創性をいかに発揮できるのかは難しい部分ではあるが、小一時間ほど触った印象では、ユニークかつ実用性もあるようなものに仕上がっていると思えた。
ホームアプリは各種ツールアプリをスライド操作で起動できるようになっている。メイン画面に表示される2本線「ストライプ」には、線をなぞって任意のアプリを起動するショートカット機能が割り当てられる。ホーム画面上の文字やフォントは、細かくカスタマイズできるようになっている。
カレンダーはBALMUDA Phoneにおいては「スケジューラー」と名付けられている。スワイプ操作でピンチイン・ピンチアウトすることで、年単位の表示から1日単位の表示までを「拡大・縮小」して閲覧できるというのが特徴だ。多くのスマホのカレンダーアプリと同様に、Google カレンダーなどとの同期にも対応する。
メモアプリは、リスト形式のメモではなく、重要度と項目別に配置できる点に特色がある。こちらはピンチアウトの操作でメモを一覧できる機能があり、ホワイトボードにメモを貼るように、メモを直感的に分類、整理できるようになっている。
カレンダーやメモのようなアプリは、画面が大きいスマホの方が一覧性に優れているというのは間違いないだろう。BALMUDA Phoneでは画面が小さいことによる見づらさを、アプリの操作性によってカバーしている格好だ。
時計アプリでは、アラーム設定時刻の天気を表示する機能などがある。アラーム音はもともとミュージシャンとして活動していた寺尾氏が自ら作曲しており、「映画館で鳴ってしまっても不快に感じさせない」(寺尾氏)ものに仕上げたとしている。
BALMUDA Phoneの開発費は総額で5.6億円としているが、その中でも多くをアプリ開発に費やしているという。専用アプリについては、利用頻度が高いものから順次投入していくとしており、2022年までに10種類を超える専用アプリの投入を目指す。これらはBALMUDA Technologiesブランドのスマートデバイスでのみ使えるものとなっている。
1モデルしか売らないからこそ、そのモデルに最適化して、使い勝手の良い体験を提供できる、そう考えると、確かに小規模なメーカーが取る戦略としては理にかなっているように思える。
カメラアプリは製造を委託している京セラが開発したものをベースとしているが、「フードモード」のみバルミューダ独自のものとなっている。バルミューダのキッチン家電部門でたくさんの料理を撮影したスタッフが、「料理をおいしく見せるチューニング」に携わっているという。
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