「AirPods(第3世代)」の新機能を徹底検証 「AirPods Pro」とどちらを選ぶべき?(3/3 ページ)
Appleの最新ワイヤレスイヤフォン「AirPods(第3世代)」は、空間オーディオや感圧センサーに対応した。上位モデルの「AirPods Pro」や、旧モデルの「AirPods(第2世代)」と比べて、どれを選ぶべきか迷っている人も多いのではないだろうか。AirPods(第3世代)の新機能をチェックしつつ、AirPodsシリーズの選び方を解説する。
音質の差はどう?
音質については、AirPods(第3世代)とAirPods Proで決定的な差は感じなかった。AirPods(第3世代)も高音が精細で、低音も迫力があり、ストリーミングサービスで楽曲を聴く上ではかなり解像感のよい音だと感じた。筆者はオーディオの専門家ではないので深い言及は避けるが、ユーザーの耳に最適化した音に調整するアダプティブイコライゼーションをサポートしたことや、新規設計のドライバとハイダイナミックレンジアンプが搭載されたことなどが、“良い感じ”に機能しているのだろうとは感じた。
ただし、インイヤー型とカナル型の違いもあって、AirPods Proの方が同じ音量でもわずかに音圧を高く感じ、楽曲への没入感はやや高くなる傾向があった。このあたりは、サウンドへのこだわり度合いにもよるが、店頭で試聴できる場所を探すなりして検討してみるのが確実だろう。
結局どれを買えばよいのか?
イヤフォン型の現行モデルについて、バッテリー仕様を比較してみよう。楽曲の連続再生時間については、短い方から順に、以下の通りになる。
- AirPods Pro(ACN・外部音取り込みをオン)……最大4時間
- AirPods(第2世代)……最大5時間
- AirPods Pro(ACN・外部音取り込みをオフ)……最大5時間
- AirPods(第3世代)……最大6時間
このように、AirPods(第3世代)は、今のところケースに収納する充電を挟まずに、一番長く音楽が聴ける製品だ。なお、充電ケースを併用する場合についても、AirPods(第3世代)が最大30時間、AirPods(第2世代)とAirPods Proが24時間以上、と表記されている。バッテリー持ちの面ではメリットが多いといえる。
また、耳に装着しているかどうかを判断するセンサーがAirPods Proを含めてこれまでのモデルは「デュアル光学センサー」だったのに対して、AirPods(第3世代)では「肌検出センサー」に変わった。言い換えると、これまでのモデルは何かに包まれていれば装着されていると判断していたのに対し、AirPods(第3世代)では肌に触れているかどうかも判断するようになった。例えば、ポケットにイヤフォン本体のみを収納したときに誤動作するリスクが低減している。
製品名を聞くと、何となく「Pro」の方がすごいのでは、と思いがちだが、このように2年後に発売されたAirPods(第3世代)の方が、新しい技術が詰め込まれている部分もある。そのうち第2世代のProに相当する製品が登場するタイミングでこうした差異は解消されるとは思うが、現時点ではAirPods(第3世代)を購入するメリットは多い。
そのため、これまでと重複する部分はあるが、新たにAirPodsを購入する場合、以下のポイントで検討することを提案したい。
- 電車や飛行機でリスニングをするなど「情報」を聞きたいならACN対応のAirPods Proを選ぼう。そうでなければAirPodsで良い。ただし、カナル型の装着感がどうしても嫌いという人は、インイヤー型のAirPodsを選んで移動中のリスニングは妥協するという手もある。
- AirPodsの最新モデルである第3世代と少し安価な第2世代で、どちらが良いか迷った場合には、感圧センサーを使った耳元での操作に注目。耳元でのつまむ操作を期待したいなら第3世代にしておこう。また、耐汗性能が備わったので、運動で使いそうな場合にも第3世代(あるいはAirPods Pro)を選ぼう。
- 音楽を聴くのが好き、あるいはDTMをするのが好きという場合には、空間オーディオに対応しているモデルがオススメ。最上位のAirPods Maxは気になりつつも高くて手が出なかったという人は、AirPods Proか、AirPods(第3世代)を検討してみよう。
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