「ドコモでんき」が2022年3月開始 再エネプランでdポイント最大10%還元
NTTドコモは、新電力サービス「ドコモでんき」を2022年3月1日より提供する。再生可能エネルギーを活用する「ドコモでんきGreen」では、ドコモの回線やdカード GOLDの契約状況に応じて、電力料金から最大10%をdポイントで還元する。ポイント増額の対象となる携帯料金プランは「ギガホ」「ギガライト」「ahamo」など。
NTTドコモは、新電力サービス「ドコモでんき」を2022年3月1日から提供する。再生可能エネルギーを活用する「ドコモでんきGreen」では、ドコモの回線やdカード GOLDの契約状況に応じて、電力料金から最大10%をdポイントで還元する。
ドコモでんきの料金・サービス内容
ドコモでんきは、個人向けの電力小売りサービス。地域の電力会社と同等のサービス水準で、電力料金に対してdポイントが還元される点が特徴となっている。
料金プランは「ドコモでんき Green」と「ドコモでんき Basic」の2種類。ドコモでんき Greenは環境に配慮した料金プランで、再生可能エネルギー比率実質100%を実現しつつ、ポイント還元率も優遇されている。
ドコモでんき Greenの月額料金は、東京電力などの地域電力会社の「従量電灯」プランに「プラス500円(税込み)」という料金設定。基本のdポイント還元率は3%で、ドコモの回線契約があるユーザーは5%還元、ドコモ回線とdカードGOLDを契約中のユーザーは最大還元率の10%還元となる。つまり、月額支払い額は電力会社の従量サービスより高くなる一方で、利用状況によってポイント還元が得られるという構成だ。
ドコモでんき Basicは、地域電力会社の従量電灯と同額の料金プランで、dポイントの基本還元率は2%。ドコモ回線契約があれば3%となっている。
なお、他キャリアの電力サービスでは携帯料金とのセット割引が用意されているが、ドコモでんきの特典はdポイント還元率の増額のみとなっており、携帯電話料金のセット割引は提供されない。ポイント還元の対象は電力料金で、還元率2%なら税別100円あたり2ポイント、10%なら10ポイントが還元される。
ポイント増額の対象となる携帯料金プランは、ドコモが2019年10月から提供しているプランで、「ギガホ」「ギガライト」「ahamo」などが含まれる。ドコモショップで販売される「ドコモのエコノミーMVNO」は割引率増額の対象とならない。
契約時の初期費用、解約金は無料。料金の支払いは携帯電話の請求方法に準じる。ドコモの回線契約がないユーザーはクレジットカード払いで利用できる。提供エリアは沖縄県と島しょ部を除く全国。
また、ドコモでんき独自のサービスとして、1日ごと、時間ごとの電力使用量や電力料金、環境貢献度を可視化する専用サイトを提供する。
事前登録で5000ポイント還元
ドコモでんきでは、事前登録した契約者にdポイント5000ポイントを還元するキャンペーンを実施する。エントリー期間は2022年1月12日〜2月28日。専用のキャンペーンページからdアカウントでエントリーした上で、4月30日までにドコモでんきに申し込み、開通した契約者が還元対象となる。キャンペーンで付与されるポイントは期間・用途限定タイプのdポイントとなる。
ドコモはドコモでんきのサービス開始に合わせて、テレビCMなどのプロモーションを展開。dカードのCMなどに出演した浜辺美波さんがイメージキャラクターを務める。
1年で150万契約、業界ナンバー1を目指す
携帯電話キャリアとして競合となるKDDIとソフトバンクは、2016年4月の電力小売自由化に合わせて新電力サービスに参入しており、ドコモは6年弱遅れての参入となる。
ドコモ 執行役員 ビジネスクリエーション部長の三ケ尻哲也氏は「昨今は消費者の環境に対する関心が高まりつつある。ドコモでんきでは再生可能エネルギーを利用するGreenプランを前面に打ち出して訴求していきたい」とアピール。他キャリアに遅れての参入になった経緯については「NTTアノードエナジーを通した電力の供給体制が整ったため、2022年からの参入となった」と述べた。
ドコモでんきで携帯電話料金のセット割引を提供せず、dポイントによる還元だけを提供する意図については、「dポイントが非常に好評を博している。ドコモの携帯をお持ちの方にさらなるポイント還元をすることで、メリットを感じていただける」と説明した。ドコモはdカード GOLDの契約者に対して、ドコモの携帯料金やドコモ光の月額料金から10%をdポイントで還元する優遇を用意しており、ドコモでんきGreenの提供により、電力サービスでも同率のポイント還元を実現する形となる。
ドコモでんきの契約目標については、サービス開始から1年1カ月後の2022年3月末時点で150万契約を、早期に営業収益1000億円規模を目標としている。
携帯キャリアとしての競合他社の電力事業は、KDDIのauでんきが288万契約(2021年3月時点)、ソフトバンクのソフトバンクでんきが売上高1309億円(2021年度)で、ドコモは先行する他キャリアを追う格好となる。
ドコモはまた、時期を明示せず「新電力ナンバー1を目指す」とも宣言しており、150万契約を突破した後も電力事業を拡大していく方針を示した。
ドコモではプロモーションにおいては「ドコモでんき Green」を環境に優しい電力サービスとして訴求していく方針を示している。GreenとBasicの契約比率については「Greenプランをドコモでんき契約者のうち最低で2割、うまくいけば3〜4割が選択されるように訴求していきたい」(三ケ尻氏)と方針を示している。
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