秋葉原で使えるコミュニティー通貨「アキコ」登場 「お金では買えない新しい体験を」(2/2 ページ)
東京・秋葉原で利用できるコミュニティー通貨「アキコ」が1月26日から導入される。現金との交換ができない通貨であり、「物やサービスの売買」ではなく「新たな体験の提供」を目指す。サービスには、カヤックが提供する「まちのコイン」を採用する。
秋葉原では30箇所で導入する 使い方は?
そんなまちのコインを採用した「アキコ」は、神田明神、秋葉原ワシントンホテル、メイドカフェ「リリアンプリアン」、とらのあな、サンコーレアものショップ秋葉原総本店、パフォーマンス集団「リアルアキバボーイズ」など30箇所で導入。
リリアンプリアンでは、神田明神で購入したお守りにメイドが「おまじない」をかけるというサービスを500アキコで提供。ワシントンホテルでは、朝食ビュッフェの残食をランチボックスにしてTABETEで提供。購入者に100アキコを提供する。
リリアンプリアンでは、神田明神のお守りに「おまじない」を掛けてくれる。神田明神の「勝守」にちなんで、「ビクトリー(Victory)」のVのしぐさだそうだ。おまじないを受けているのはリアルアキバボーイズのけいたんさん
単に体験の提供だけでなく、加盟店へ相互に送客し合い、フードロスなどのSDGsへの貢献もできるようなサービスを目指す。まちのコイン自体、当初は想定していなかったSDGsへの貢献に寄与できるとして機能を追加。スタンプラリーのようなゲーム化をすることで気軽に貢献できるようにした。
運営主体となるGENDAの申社長は、「秋葉原で(ゲームセンターを)29年に渡って営んでいて、他の業態の人との関わり合いもあり、街の一部であるという認識を持っている」と話し、コロナ禍でインバウンド需要が激減して打撃を受けた秋葉原に対して、アキコで貢献したいとの考えを示す。
そのため、個々の店舗がそれぞれ集客するよりも、店舗が集まり、「街の価値を上げることで集客したい」(申社長)として複数の事業者に声を掛けて導入を決めたのが、まずは今回の16事業者。今後さらに事業者を拡大し、「アキバらしい、いろいろな店をつないで、街の価値を高め、集客力を向上させたい」と意気込んでいる。
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