「BALMUDA Phoneは素晴らしい価格だとは思っていない」 寺尾社長が語る現在地(3/3 ページ)
2021年11月に発売されたバルミューダ初のスマートフォン「BALMUDA Phone」が大きな話題を呼んでいる。デザインや中身よりも注目を集めているのが、10万円を超える価格だ。逆風が吹き荒れる中での船出となったBALMUDA Phoneだが、同社は発売後の反響をどのように受け止めているのか。寺尾玄社長が語った。
後継機の開発は始まっている
iPhoneに比べ、AndroidスマートフォンはOSのバージョンアップ回数が少なく、短命に終わってしまう機種が多いが、メーカーによっては2年〜3年のバージョンアップを保証するところもある。寺尾氏はスマートフォンの寿命についてはどう考えているのか。まず、BALMUDA Phoneは2022年夏にAndroid 12にバージョンアップする予定だという。その後のサポートについては、搭載しているSnapdragon 765が対応できるところが限界だとするが、アプリはできるだけ長い期間サポートする意向も示す。
後継機の見通しも気になるところだが、「後継機か、併売になるかもしれないモデルの開発は始まっています」と寺尾氏。「これで辞めるのではないかという心配もあるでしょうが、全くそんなつもりはありません。一度リングに立ったので、打ち続けるしかないという覚悟で取り組んでいます」と言い切る。
BALMUDA Technologiesの製品はスマートフォンだけとは限らず、「スマートフォンとは呼ばないだろうというサイズのディスプレイを搭載したデバイスも開発の超初期段階にある」そうだ。BALMUDA Phoneでは小型サイズにこだわったが、大きな画面を求めるユーザーも当然いるし、スケジューラやメモなど一覧性が求められるアプリは大画面でこそ真価を発揮する。一方、「ラウンドは重要なアイコンになる」との考えから、丸みを帯びたボディーは今後も継続するようだ。
BALMUDA Phoneは、ソフトバンクが独占販売したことでも話題を集めた。今回、ソフトバンクとパートナーシップを結べたことから開発にGOを出せたという。「SIMフリーだけで売るのに、あれだけの投資はできない。社員も納得しないし、株主からも怒られたと思います」と寺尾氏。ソフトバンクに納入した時点でバルミューダ側の収益になるので、ビジネスとしては手堅い。今後もソフトバンク独占になるのかについては明言を避けたが、キャリアとともに販路を拡大することも重要なミッションになりそうだ。
心の底からやりがいを感じている
現在はまだ向かい風が吹いているBALMUDA Phoneだが、「あれだけの反響を考えると、すごいエネルギーが市場がある」と寺尾氏は前向きに捉える。「エネルギーがないと、あんなことにはならない。未来に向けて、すごいチャンスがある。心の底からやりがいを感じています」と同氏。リングに立ち続けるバルミューダが、次にどんな一手を繰り出すのか、注目したい。
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