スマホのバッテリー劣化の指標「充電サイクル500回」って結局どういうこと?(2/2 ページ)
「バッテリーが劣化するから、スマホの利用限度は2年程度」――こんな話を聞いたことはありませんか。これは、スマホの「充電サイクル」と「500回」という2つのワードが組み合わさって生まれた“通説”です。
バッテリー劣化を抑える各社の取り組み
私たちにできることがあるとはいえ、メーカー側もユーザーに任せっきりというわけではありません。
例えば、先ほどから引き合いに出しているiPhoneでは、バッテリー容量の80%までを高速充電し、そこから100%まではバッテリーへの電流を弱めることでバッテリーへの負荷を軽減する工夫をしています。そのため、フル充電サイクル500回を経ても、本来のバッテリー容量の80%を維持することができています。
Androidスマホとしてシェアの高いシャープ製「AQUOS」シリーズやソニー製「Xperia」シリーズではどうでしょうか。
AQUOSには「インテリジェントチャージ」機能が搭載されおり、ながら充電をしていてもバッテリーの劣化を抑えられるとしています。また、そもそも大容量のバッテリーを搭載しており、電池持ちがいいため充電回数が少なくて済むという側面もあります。実際、筆者もAQUOS sense 5Gを持っていますが、ほとんど使っていないため、1週間に1度という頻度でも十分にバッテリー残量に余裕のある状態です。
Xperiaには「いたわり充電」機能があり、電源に長時間接続しているパターンを学習していたわり充電の時間を自動的に設定。設定された時間内は充電量を90%に抑えることで、バッテリーへの負荷を抑えています。時間は、仕事中、就寝中など手動設定もOK。その他、「常時」を選べば80〜90%に制限できます。
かんたんスマホ、あんしんスマホ、DIGNOシリーズなどを手掛ける京セラでは、バッテリーの寿命を伸ばすための「バッテリーケアモード」を用意。これをONにしておけば、85%で充電が止まるようになります。
いずれにせよ、バッテリーは経年劣化するものであり、そのうち寿命を迎える部品の1つ。できるだけいたわりながら使うことで、スマホそのものを長く使えるようにしたいものです。
関連記事
- 「ながら充電」や「100%のまま充電」はNG? スマホのバッテリー寿命を延ばす方法
スマートフォンを使う上で「バッテリーの寿命をどれだけ延ばせるか」は重要なポイントだ。充電のタイミングや方法によってはバッテリーを劣化させる恐れがある。少しでもバッテリーの寿命を長くするには、どんなことに注意すればいいのか。4キャリアに聞いた。 - 「ながら充電」に注意 携帯市場と電通大がスマホのバッテリー劣化を防ぐ研究
携帯市場は3月30日、電気通信大学と進めている「スマホバッテリー劣化研究プロジェクト」に関する研究結果を発表した。スマートフォンのバッテリー劣化は買い取り価格が下落する要因になる。特に注意したいのが「ながら充電」だ。 - iPhoneのバッテリーを長持ちさせる方法7選(2022年最新版)
外出先で、iPhoneのバッテリーが減ってもすぐに充電ができないときは、バッテリーを長持ちさせる設定を試してみましょう。バッテリーを消費しがちな機能の設定を変更して、消費電力を抑えられます。低電力モードを有効にしたり、画面の明るさを調整したりすることから始めてみてください。 - Androidのバッテリーを長持ちさせる方法9選(2022年最新版)
バッテリーが残りわずかになってきた場合は、長持ちさせるために9つの設定を試してみてください。Androidには、バッテリー消費を抑えるための「バッテリーセーバー」機能があるので、まずはこれを有効にしましょう。「設定」アプリの「バッテリー」では、アプリごとのバッテリー使用状況を閲覧できます。 - スマホが発熱! 「絶対にやってはいけないこと」は?
夏も本番を迎えました。外でスマホを使うと、非常に熱くなることもあります。そうなったら、どうすればいいのでしょうか……?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.