iPhone 13 ProとPixel 6 Pro、どちらが“旅カメラ”に向いている? 宮古島で撮影してきた(1/3 ページ)
近年のスマホカメラの進化はめざましく、シーンによってはフルサイズ一眼カメラに劣らない写真が撮れる。その実力を試すべく、「iPhone 13 Pro」と「Google Pixel 6 Pro」で得意/不得意を確かめてみた。
近ごろのスマホカメラの進化はめざましく、シーンによってはフルサイズ一眼カメラに劣らない写真が撮れることもあります。
ときには「もう巨大で重い一眼カメラはいらない」とまで言われるスマホカメラの実力を試すべく、スマホだけで長期間の撮影旅に出ることでスマホカメラの得意なシーンと苦手なシーンを明らかにしていきます。
今回の相棒は「iPhone 13 Pro」と「Pixel 6 Pro」。どちらも超広角、広角、望遠のトリプルカメラとなっています。この2台を持って沖縄の宮古島へ撮影に行ってまいりました。
取り回しが良いスマホ、小型軽量は正義
一眼カメラと比べてスマホだけで旅に出掛ける一番のメリットは機動性でしょう。レンズとあわせて1kgを超えることもある一眼カメラと比べてスマホはポケットにはいるので身軽に動き回れます。また、機内持ち込み制限が厳しいLCCの旅では、一眼カメラを諦めるだけでよりたくさんの荷物を持ち込めるようにもなります。
サイズや重量はこれはカメラ本体だけの話ではありません。スマホであれば三脚などの周辺機器も小型で済みます。もちろん交換レンズを持ち運ぶ必要もありません。
スマホは1台で超広角から望遠までカバーしています。一眼カメラではレンズ交換しなければならないシーンでもポケットからさっと出して画角を変えるだけで対応可能。思い通りの構図で決定的なシーンを逃さず撮影することができます。
スマホは豪雨の中でも撮影できる
宮古島での5日間はずっと大雨でしたが、スマホの防水機能はとても心強いものでした。
多くの一眼カメラは簡易防滴であるものの、一部の防水カメラを除いてスコールのような豪雨の沖縄で使うには心もとないです。一方で、多くのスマホはIP規格の防水に対応しているので雨の中でも安心して撮影できます。
特に望遠域の場合、一眼カメラのズームレンズはレンズの鏡筒が伸び、隙間に水分が入りやすい状態になります。そんなときでもスマホであれば、臆することなく、どんな画角や構図でも撮影できます。
スマホだと困るシーンは超望遠、ボケ、AFの3つ
5日間の撮影で「一眼カメラじゃないとだめだ」と思ったシーンはほとんどありませんでした。一昔前のスマホはメインカメラである広角カメラ以外の画質が微妙だったものの、最新スマホは超広角も望遠もメインカメラに劣らない画質となっています。
下の写真はPixel 6 Proの望遠カメラで撮影したものですが、木々や雲のテクスチュアがはっきりしています。遠い所ほどかすんでいる様子も鮮明に写し撮れているので、その場の空気感も伝わってくるような写真に仕上がりました。超広角や望遠カメラにも力が入っているハイエンドスマホであれば、かなり幅広いシーンを抑えることが可能です。
とはいえ、iPhoneとPixelではデジタルズームに限界があり、超望遠域ではあまりいい写真が撮れませんでした。なお、Galaxy S22 Ultraなどの望遠に強いスマホではその限りではない可能性はあります。
ナイトモードを使えば暗いシーンも問題なく撮影できます。もちろん最新のスマホはどの画角でもナイトモードが使えるので、好きな構図を撮ることも可能です。
困ったシーンと言えば、ポートレートモードのボケが不自然なこと。特に植物など境界がごちゃごちゃしている被写体はきれいに撮影できなくて困りました。なだらかで自然なボケでは一眼カメラ+単焦点レンズに分配が上がります。
とはいえ、本来ポートレートモードは文字通り人物撮影に使うものです。そのため、人物などの背景との境界がはっきりとしている被写体を撮る分には自然に撮影できます。それどころか肌のトーンアップなどの機能で美肌風に撮ることもできるのはスマホのメリットです。
他に困った点は、オートフォーカスが弱いこと。下の写真は自分に近寄ってくる猫の写真ですが、ピントは背景のイラストにあっています。スマホだとポケットから出してとっさに撮影できてもちょっとピンボケとなることがあり、非常にもどかしいものです。とはいえ、AF周りに力が入っていて動物瞳AF搭載の「Xperia 1 VI」などであれば問題ないはずです。
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