「AQUOS R7」に20万円弱の価値はある? 1型センサーの新カメラやパフォーマンスを徹底検証(2/3 ページ)
シャープの2022年夏のフラグシップモデル「AQUOS R7」。巨艦カメラを擁する尖ったスマートフォンだ。20万円弱の価格に見合う価値はあるのか、じっくり検証する
Pro IGZO OLEDディスプレイも最高峰の品質
AQUOS R7は、カメラ以外の要素も現時点で最高峰のものを詰め込んでいる。とりわけ注目したいのがディスプレイで、「Pro IGZO OLED」と呼ばれるシャープ製の有機ELディスプレイを搭載している。
画面サイズは6.6型と大きめで、HDR再生をサポート。ピーク輝度は2000ニトとスマートフォンのディスプレイの中でも高く、真夏の直射日光下でも十分に明るく表示できる性能を有している。加えて、120Hzでの画面表示(いわゆる倍速駆動)をサポートしており、SNSやWebブラウザなどの動きが非常に滑らかだ。
なお、AQUOS R6からの改良点として、ディスプレイの形状がフラットタイプとなっている。これにより、画面端での誤タッチの心配がなくなった。
また、AQUOS R6は「最低輝度でも明るすぎる」という難点があったが、これも改善されている。AQUOS R7ではAndroid 12の「さらに輝度を下げる」機能に対応しており、この機能をオンにすれば、真っ暗な寝室で使っても目が痛くない程度まで画面輝度を下げられる。
オーディオは本体にステレオスピーカーを内蔵。3.5mmイヤフォンジャックも備えている。内蔵スピーカーの音は本体の背面で反響し、手に持ったときにスピーカーの音がこもらないような設計となっている。サラウンド再生機能を有効にすると、内蔵スピーカーでも十分に立体的な音響が楽しめる。
デュアルSIMで「テザリングオート」がさらに実用的に
AQUOSスマートフォンは、メーカー独自のユニークな機能がいくつか搭載されている。中でも実用性が高いのが「テザリングオート」だ。自宅や職場など、特定の場所を離れたときに、テザリングを自動でオン、オフする機能だ。この機能を活用すれば、出先でノートPCやタブレットを併用するときに、煩わしい設定なしで通信環境を確保できる。テザリングのみの利用なら消費電力は抑えられるため、8時間程度は追加充電なしで利用できる。
AQUOS R7には、通信キャリアを問わず使えるというメリットもある。大手キャリアのNTTドコモとソフトバンクのみで販売されているが、両キャリア版ともデュアルSIMに対応しており、国内キャリアの主要周波数帯をカバーしている。例えば、NTTドコモ版のAQUOS R7にサブ回線として、LINEMOやpovo2.0など他社網のサービスを導入しておけば、メイン回線の電波環境が悪いときや、通信障害が発生した際のバックアップ回線として利用できる。
筆者はソフトバンク版のAQUOS R7で、NTTドコモ網のnanoSIMとソフトバンク網のeSIMという2回線で試用してみたが、両回線とも5G網でおよそ数百Mbpsという高速通信が可能だった。なお、AQUOS R7では各キャリアの主要案周波数帯はサポートしているが、キャリアアグリゲーションの組み合わせについては両キャリア版で異なる可能性があるため、NTTドコモ網をメインで使う人はNTTドコモ版のAQUOS R7 SH-52Cを、ソフトバンク網をメインで使う人はソフトバンク版のAQUOS R7(A202SH)を選ぶといいだろう。AQUOS R7 SH-52Cは、NTTドコモが8月末に開始した5G SAサービスにも対応している。
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