楽天モバイル、9月4日の通信障害を「重大な事故」として総務省に報告
楽天モバイルは10月4日、9月4日午前11時20分頃から午後1時26分頃までにかけて起きた通信障害について、総務省に重大な事故報告(以下、報告書)を提出した。約130万回線に影響が及んだという。これを受けて同社は再発防止に全力をあげて取り組んでいくとしている。
楽天モバイルは10月4日、9月4日午前11時20分頃から午後1時26分頃までにかけて起きた通信障害について、総務省に重大な事故報告(以下、報告書)を提出した。
全国規模で起きた今回の通信障害は約130万回線に影響が及んだ。同社は発生から回復に至るまでの経緯を次のように説明している。
具体的には同社の西日本データセンターに設置されたデータセンタースイッチのソフトウェア不具合で、当該データセンタースイッチの再起動が9月4日11時20分に発生。それに伴い、パケット交換装置のシステム再起動が発生した。パケット交換装置の再起動によって切断された端末からの再接続要求が集中し、西日本データセンターのポリシー制御装置に輻輳(ふくそう)が発生。信号の再送が東日本データセンターのポリシー制御装置にも到達し輻輳が発生した。
9月4日13時26分には事前規定の障害時緊急モードへ移行することで、東日本・西日本データセンターのポリシー制御装置が平常時トラフィック相当に回復し、輻輳の完全な解消を確認したという。
原因について同社は「ソフトウェア不具合によりデータセンタースイッチ内のシステムログが自動的に削除されず、ログ保存用のメモリが枯渇したことにより動作が不安定となり、データ転送が停止・不安定な状態を検知し、切り離すことができず再起動まで想定外に時間を要したため」と説明している。
輻湊状態が長期化した理由については、「西日本データセンター内の輻輳発生後、東日本データセンター内でも同様に発生したため、トラヒック(トラフィック)を片側のデータセンターにに寄せる対応ができなかった。当該障害時緊急モードの実行は今回が初めてであり、また障害時緊急モードへの移行判断を属人的に行っていたため、実施可否に時間を要したため」だという。
その結果、約2時間半に渡り、楽天モバイルを契約している一部のユーザーが通話(緊急通報を含む)やデータ通信が利用しづらくなった。
一部で「情報周知に時間がかかった」との指摘があったが、同社は「障害報初報に復旧見込み時間等を可能な限りの情報を含めておきたいと判断したため、利用者への案内文をWebサイトへ掲出するまでに時間を要した」としている。
電気通信事業法第28条では、緊急通報(110/118/119番への発信)に対応する音声伝送サービスにおいて、1時間以上かつ3万人以上に影響が出た場合、重大な事故に該当し、通信事業者は総務省に報告書を提出する必要がある。
同社は社会インフラを支え安定したサービスを提供しなければならない通信事業者として、通信サービスの確実、安定的な提供の確保に向け、再発防止に全力をあげて取り組んでいくとしている。
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