「ほぼ全員」にはほど遠い マイナンバーカードがなかなか普及しない理由(2/2 ページ)
プラスチック製のICチップ付きのマイナンバーカード。日本国内における行政関連手続きで個人を特定すべく識別番号が付与される。申請から受け取りに至るまでの課題は何か。
マイナンバー関連サイトがいくつもあり、手続きも煩雑
マイナンバー関連のサイトがいくつも存在しており、用途によってURLが異なるという点も分かりづらい。
例えば、マイナポータルはマイナンバーカードを使って各種情報を取得するサイト、オンラインの申請なら「個人番号カードのオンライン申請サイト」というように、全ての手続きを一括して行えない。
これでは手続きの煩雑さが目立つどころか、初めて各サイトへアクセスした人や、日頃からスマートフォンをはじめとするデジタル機器に慣れていない人にとっては、どこからどのような手順で手続きをすればいいのか、ぱっと見では分かりづらいだろう。
そのマイナンバーカード申請をサポートする事業について、総務省から委ねられているのが共同事業体。共同事業体には全国携帯販売代理店協会が代表で、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが参加。利用者は各社のキャリアショップでマイナンバーカードの申請に関するサポートを受けられる。
サポートがあるとないとでは、受け取る印象はかなり違う。やはり官民が一体となって取り組む必要があること、その上でキャリアショップが重要な役割を果たせることが、「申請が面倒だ」とためらう人をマイナンバーカード取得に結びつけられる。
キャリアショップでの取り組みは、意義のあるものだと思う。ただ、そもそもサポートなしで誰でも簡単に申請から取得までできるような環境なら、わざわざ消費者がキャリアショップへ出向き、申請サポートを受けずに済むし、キャリアもそこにリソースを割かずに済む、と筆者は考える。
ここまでお伝えしたデメリットの改善や、メリットの提示を強化しなければ、政府の掲げる“完全普及”にはつながらないだろう。
普及と捉えられるのは「100%」が絶対ではない
全国民の人口比で必ずしも100%普及でなく、例えば16歳以上の運転免許証保持率やコロナワクチン接種率で示されるよう70%程度の普及で合格となるかもしれない。
2023年2月末を経て22年9月末時点の人口比49%からどれだけ躍進できたかが見ものだ。
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