ソニーのモーションキャプチャー「mocopi」は何が新しいのか? スマホ活用の新たな可能性(1/2 ページ)
ソニーが、スマートフォンと連携してモーションキャプチャーを可能にするデバイス「mocopi(モコピ)」を2023年1月下旬に発売する。頭、手足、腰に装着してスマートフォンと連携すると、モーションデータを取得できるようになる。SDKを活用することで外部サービスと連携可能になり、取得したモーションデータをリアルタイムに配信することもできる。
ソニーが、スマートフォンと連携してモーションキャプチャーを可能にするデバイス「mocopi(モコピ)」を2023年1月下旬に発売する。ソニーストアでの価格は4万9500円(税込み)。
mocopiは、6つのセンサーデバイスがセットになっている。頭、手足、腰に装着してスマートフォンとBluetoothで連携後、キャリブレーションを行うと、モーションデータを取得できる。このモーションデータにアバター映像を組み合わせることで、そのキャラクターを自分の動きに合わせて操作することができる。
制作したアバター動画はmp4などの動画データとしてスマートフォンに保存できる。さらに、SDKを活用することで、mocopiで取得したモーションデータをPCへリアルタイムに送信して、3D開発ソフトウェアで編集したり、外部アプリで即時配信したりできる。ソーシャルVRアプリ「VR Chat」とも連携でき、mocopiからヘッドセットにモーションデータを送り、仮想空間でアバターを自在に操作できるようになる。
mocopiのSDKは12月15日に公開する予定。ソニーはパートナーとの協業も視野に入れている。メタバースやフィットネスでの領域で、VTuberのコンテンツ制作やアニメ・ゲームの制作につなげたい考えだ。
デバイスや環境の制約を受けずにモーション動画を制作できる
mocopiを開発した背景について、ソニー 新規ビジネス・技術開発本部 モーション事業推進室 室長の相見猛氏は「アバターを通じた発信が増えていること」を挙げる。
「メタバース市場の盛り上がりとともに、アバターを介したコミュニケーションが増えている。VTuberがトップ層と同程度以上のフォロワーや収益を上げており、ソニーグループもVTuberの活動を始めた。アバターを使ってさまざまな表現をするトレンドが出ており、ソニーとしてもできることをトライしていきたい」(相見氏)
そんなmocopiの大きな特徴は、手軽にモーションキャプチャーができること。従来、モーションキャプチャーを行うには、多数のカメラ機材や専用スーツ、PCなどの大掛かりな準備が必要だったが、mocopiなら6つの小さなセンサーとスマートフォン1台で完結する。スタジオにこもる必要もなく、屋内や屋外の場所を選ばずにデータを取得できることもメリットだ。mocopiという名前も、「モーションを簡単にコピーできること」に由来する。
「(モーションキャプチャーを撮るのに)ソフトウェアの知識がないと難しいと敬遠していた人もいたかもしれないが、写真やビデオを、普段のスマートフォンで撮るような気軽さで3Dコンテンツを作れる。どんな人にも気軽に使ってほしい」(相見氏)
mocopiでモーションデータを取得する方法
センサーは500円玉ほどのサイズで、1個あたり32×11.6mm、重量は8g。各センサーをバンド付きのアタッチメントに取り付け、頭、手首(×2)、足首(×2)、腰にバンドを巻いてクリップで固定する。初回のみスマートフォンとペアリングを行い、キャリブレーションを行えば準備完了。その後は、ユーザーの動きに合わせてアバターが動く。収録した動画は保存したり、外部配信したりできる。
アバターは、mocopiの公式アバターである「RYANOSちゃん」と、人型のシルエット「HUMAN」の2種類を選べる他、手持ちのアバターをインポートすることも可能。ソニーが自らアバターを配信する予定はないとのこと。
背景色はグリーン、ブルー、ホワイト、レッドに変更できる。音声録音にも対応しており、アバターの口元が音声に合わせて動く。mocopiでモーションキャプチャーを連続で行えるのは10時間だが、センサーの位置ずれが蓄積されるため、30分に1回は再キャリブレーションを行う必要がある。
なお、モーションキャプチャーは足が地面に付いた状態で行う必要があるため、寝そべったり、自転車に乗っていたりする状態だと正しくキャプチャーできない。
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