「Xiaomi=安い」だけのイメージを変えた2022年 カメラ機能が大きく躍進した理由:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
Xiaomiは他社に先駆けて1億800万画素カメラ搭載モデルを投入するなど、カメラ性能の強化を続けてきた。そのXiaomiがライカと協業したことで、Xiaomiに対するイメージはこれから大きく変わっていくだろう。2億画素カメラを搭載したXiaomi 12T Proは、その画素数が大きなインパクトを与える製品だ。
レンズ交換式のスマートフォンも開発
Xiaomiはまた実験的な製品の開発にも取り組んでいる。Xiaomi 12S Ultraの背面の円形ガラスの台座を交換レンズが取り付け可能なカメラマウントとし、実際にライカのMマウントレンズを装着できる「Xiaomi 12S Ultra Concept」を開発した。1眼レフやミラーレスカメラの交換レンズを取り付けできる、Android OSを搭載したデジタルカメラはこれまでいくつかあったが、スマートフォンの形状でレンズ交換できるモデルはこれが世界初だ。製品化の予定はないものの、ハイエンドスマートフォン好きやカメラ愛好家にXiaomiの技術力の高さを知らしめるモデルになることは間違いないだろう。
2022年11月には「Xiaomi映像限定ギフトボックス」として、52mmのフィルターを装着できる背面カバーとフィルター、フィルターケース、フードなどをセットにしたキットを限定で提供。デジタル技術ではなく物理的なフィルターを使った撮影効果を楽しむことができるわけだ。このアクセサリーの存在はカメラファンのXiaomiへの興味をより高めるだろう。ちなみに中国ではこのキットが高値で転売され、大人気になっているという。
Xiaomi=カメラに強いメーカーが浸透するか
2億画素カメラを搭載したXiaomi 12T Proは、その画素数が大きなインパクトを与える製品だ。1億800万画素カメラの搭載は2019年11月にXiaomiが発表した「Mi Note 10」シリーズと「Mi CC9 Pro」が最初だが、それから3年がたち、ようやく大幅な画素数アップが行われた。画素数を高めることが一概に性能アップとはいえないが、マーケティング的には「2億」という数字は大きなアピールポイントになる。Redmiシリーズの最新最上位モデル「Redmi Note 12 Pro+」にも同じカメラが搭載され、Xiaomi=カメラに強いメーカー、というイメージを一般層に広げていくだろう。
2022年のXiaomiのスマートフォンはカメラで大きな躍進が見られ、2023年以降はそれを武器に出荷台数拡大を目指していく。Samsungが折りたたみモデルにフォーカスし、Appleが中国国内の生産トラブルに見舞われる中で、Xiaomiは世界1位メーカーへ向けてさらなる躍進が期待されるだろう。
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