「Rakuten Mini」から「Galaxy Z Flip4」に機種変更 大きく変わったユーザー体験と折りたたみならではの欠点も(2/3 ページ)
「Rakuten Mini」から「Galaxy Z Flip4」に機種変更した。Rakuten Miniは小さすぎるゆえの欠点があった。一方、Galaxy Z Flip4を選んだ決め手は2つある。
Galaxy Z Flip4を選んだ決め手は2つ
そんな理由から、機種変更したい……と思っていた矢先に登場したのがGalaxy Z Flip4だった。
発売日から2カ月後にGalaxy Z Flip4を入手したが、両機種の使い勝手が全く違うため、感じたことのないギャップに襲われた。というのも両機種を端的にいえば、Rakuten Miniが超小型スマホ、対するGalaxy Z Flip4が折りたたみスマホだからだ。
とはいえ、Galaxy Z Flip4もハイエンドスマホとしては小型かつ薄型な部類に入る。Galaxy Zシリーズとしては横方向に折りたためる「Galaxy Z Fold4」がドコモとauから販売されているが、Galaxy Flipシリーズの第4世代モデルに当たるGalaxy Z Flip4は縦方向に折りたためるのが大きな特徴だ。
Galaxy Z Flip4を選ぶ決め手になったのは2点ある。
1点目は折りたたんだ場合のコンパクトさ。ディスプレイを開くと6.7型ディスプレイが姿を現し、閉じると胸ポケットや小さなカバンにも収めやすい。サイズは展開時が約71.9(幅)×165.2(高さ)×6.9(厚さ)mm、折りたたみ時が約71.9(幅)×84.9(高さ)×15.9〜17.1(厚さ)mmとなっている。となっており、折りたためばパスポートよりコンパクトになる。
2点目としてはeSIMとSIMカードの両方に対応していること。eSIMオンリーのRakuten Miniに不満を感じていた筆者は、楽天モバイル回線に加えて、違う会社のSIMカードも入れてデュアル回線にしたかった。デュアル回線なら、メインをドコモやauに、サブを楽天モバイルにでき、SIMカードの抜き差しなしに回線を切り替えられる。
カメラとディスプレイの実力、パフォーマンスはどう?
Galaxy Z Flip4のカメラやディスプレイについても特段、不満に感じることはない。特にカメラは折りたたみ構造ならではの使い方ができる。例えば、完全に開ききらずに特定の角度で折り曲げた状態で固定し、テーブルなどの上に置くと、ディスプレイの下半分をコントロールパネルに、上半分をモニターとして使える。これはフレックスモードを活用したもので、カメラの他にもWebブラウザや写真(ギャラリー)などの対応アプリ利用時なら、端末の折りたたみの角度を変えると、開いた角度に応じてフレックスモードに自動で切り替わる。
ちなみに、一部のフレックスモード対応アプリはGalaxy Z Flip4を折り曲げた状態にすると、フレックスモードパネルを開く(端末を折り曲げたような)アイコンが表示される。それをタップすると、上半分にWebや動画などを表示し、下半分をPCのトラックパットのように扱える。さらに、フレックスモードパネルから音量と明るさの調整、スクリーンショットの撮影、ステータスバーの表示、といったことも行える。
Galaxy Z Flip4のアウトカメラとインカメラで撮影した画質も、Rakuten Miniより格段によく、申し分ないと感じる。1200万画素の広角と超広角のレンズで構成されるアウトカメラはレンズ切り替えが即座に行え、特に食べ物を撮るとGalaxy特有の色味や明るさに自動調整され、おいしそうな料理の写真に仕上がる。カバーディスプレイでプレビューしながらの撮影にも対応しているため、これまで以上に撮影する楽しさが増す。
1000万画素のインカメラでもフレックスモードを活用できる。Galaxy Z Flip4をテーブルなどの上に置き、少し離れたところから手のひらをかざしてシャッターを切れば、ハンズフリーでセルフィーやショート動画を撮影できる。日頃から自分撮りを頻繁にすることはないが、集合写真などで大活躍しそうな機能であることは間違いない。
ディスプレイはメイン、カバーともに発色がいい。スペックはメインがフルHD+のDynamic AMOLED(有機EL)、カバーがSuper AMOLED(有機EL)で、メインは1Hzから120Hzまでと可変のリフレッシュレートに対応している。表示するコンテンツに応じてリフレッシュレートを自動で調整するため、消費電力を抑えられる。
気になる視認性については折りたたみ構造のため、賛否両論あるだろうからチェックしていきたい。Galaxy Z Flip4は完全に開いた状態にすると、メインディスプレイの中間部分(ヒンジの裏側)にくぼみ(折り目)ができる仕様だが、メインディスプレイでWebサイトや地図の閲覧、動画視聴などをする際に、文字やイラスト、動画などが若干ゆがんで見えるが、そこまで読み取れない、確認しづらいほどの支障はでないと感じた。
ただ、見栄えとしてきれいか、と問われると、決してそうではない。比較対象にされやすいOPPOの「Find N2 Flip」ではメインディスプレイを折り曲げたときの伸びがヒンジに収まる構造となっているため、見た目で分かりやすいくぼみは現れない。Galaxy Z Flip4のメインディスプレイくぼみは視認性がうんぬんというより、好みが分かれるところかもしれない。
性能についてもチェックしていきたい。プロセッサはRakuten Miniがエントリー向けの Snapdragon 439だが、Galaxy Z Flip4がハイエンド向けのSnapdragon 8+ Gen 1を搭載している。両機にCPUやシステム全体のパフォーマンスを測る「Geekbench 5」を入れ、シングルコアスコア、マルチコアそれぞれの値を確認した。
結果はRakuten Miniのシングルコアスコアが167、マルチコアスコアが774。Galaxy Z Flip4のシングルコアスコアが1276、マルチコアスコアが3983で、当然ながら大差となった。
Rakuten Miniは先のバッテリー持ちの悪さや、小さな画面サイズという観点から、長時間、高負荷がかかる作業には向かないし、SNSや重たいアプリではスクロール時にかくつきが見られた。一方のGalaxy Z Flip4はSNSや地図などもスムーズに動く。ただ、4K動画撮影を15分くらい続けていると、背面がやや高温になり、手にも温度が伝わってきた。発熱の問題は同じプロセッサ搭載の「Xperia 1 IV」なども同様に起こる。
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