シャープが新フラグシップ「AQUOS R8 pro」発表 “見たまま”を表現できるカメラ、新放熱設計を採用
シャープが、スマートフォンAQUOSの新モデル「AQUOS R8 pro」を発表。ライカと共同開発したカメラは、新たに600種類以上の光源を判定するという14chスペクトルセンサーを搭載。カメラリングに熱を誘導する新たな放熱設計も採用した。
シャープが5月9日、スマートフォンAQUOSの新モデル「AQUOS R8 pro」を発表。NTTドコモから2023年7月以降、ソフトバンクから2023年7月上旬以降発売される。
AQUOS R8 proは、カメラ機能やディスプレイ性能を強化したフラグシップスマートフォン。2022年に発売された「AQUOS R7」の後継機に当たる。カラーバリエーションはブラック1色のみ。
カメラはAQUOS R7と同様に1型のセンサーを備えており、ライカと共同開発したF1.9、焦点距離19mm相当の「SUMMICRON(ズミクロン)」レンズを採用。アウトカメラは4700万画素で、1画素に8つの像面位相差センサーを配置した「Octa PD AF」に対応するなど、カメラシステム自体はAQUOS R7と同等だ。
AQUOS R8 proでは新たに、600種類以上の光源を判定するという14chスペクトルセンサーを搭載している。このスペクトルセンサーにより、朝日や夕焼け、室内照明など、さまざまな光の環境に応じて、人間が見たままに近い自然な色合いで撮影できるとしている。例えば料理の写真も、日常の食事からスイーツまでを認識して、おいしそうに見える画質で撮影できるという。日の出や日の入りに加え、星空と花火は専用のモードを搭載して鮮明に撮影できるよう工夫した。
AFの速度も改善し、犬と猫の動物も追尾できるようになった。ペットが動き回っても瞳にピントを合わせ続けられる他、ポートレートモードから、背景のボケ具合や毛並みの鮮明さを調整できる。HDR撮影はAQUOS R7比で処理速度が約40%向上し、秒間15枚の連写も可能。背面には有効約190万画素の測距用センサーも備える。インカメラは有効約1260万画素でF2.3、焦点距離は27mm相当となる。
AQUOS R8 proでは、レンズフィルターを装着できるケースが、エレコムやLOOFなどシャープ公認のサードパーティーから発売される。
プロセッサはQualcommのSnapdragon 8 Gen2を搭載しており、メインメモリは12GB、内蔵ストレージは256GB。容量5000mAhのバッテリーを内蔵する。
パフォーマンスの向上とともに気になるのが本体の発熱だが、AQUOS R8 proでは新たな放熱設計「サーモマネジメントシステム」を取り入れている。カメラやCPUから発生する熱をカメラリングに誘導し、カメラリングの内側がCPUに接近する凸構造にすることで放熱ルートを作り出し、効率的に熱を逃がす。これにより、発生熱量を最大約30%削減し、端末の表面温度を最大8度下げられるという。パフォーマンスについては、AQUOS R7比でカメラ撮影は最大2倍、ゲームは最大3倍の向上が確認できたとしている。
ディスプレイは約6.6型のワイドUXGA+(1260×2730ピクセル)のPro IGZO OLEDを搭載。ピーク輝度は2000ニトで10億色の表現にも対応する。ディスプレイの駆動速度はコンテンツに応じて1Hzから240Hzまでの可変となっている。AQUOS R8 proではさらに、ブルーライトをAQUOS R7から約50%低減できるようになった。HDR映像技術のDolby Visionと立体音響技術のDolby Atmosにも対応する。
本体のサイズと重量は測定中。IPX5/8の防水とIP6Xの防塵(じん)、おサイフケータイ/NFCにも対応する。生体認証はマスク対応の顔認証に加え、3D超音波指紋センサーの「Qualcomm 3D Sonic Max」を用意。SIMはnanoSIMとeSIMのDSDV(デュアルSIM、デュアルVoLTE)をサポートしている。OSはAndroid 13をプリインストールしており、最大3回のOSバージョンアップと最大5年のセキュリティアップデートを保証する。
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