ドコモの「いつでもカエドキプログラム+」は何が変わった? 現行プログラムとの違いを整理
NTTドコモが、2023年9月から新たな端末購入プログラム「いつでもカエドキプログラム+」を提供する。このプログラムでは、1年ごとに機種変更をする人に向けた特典を強化している。現行のプログラムにも1年で機種変更する人向けの特典があるが、何が違うのか?
NTTドコモが、2023年9月から新たな端末購入プログラム「いつでもカエドキプログラム+」を提供する。このプログラムでは、1年ごとに機種変更をする人に向けた特典を強化しているが、現在提供している「いつでもカエドキプログラム」と何が違うのか。
いつでもカエドキプログラム+は13〜23カ月目の分割支払金を免除
まず前提として、いつでもカエドキプログラム+は2023年9月以降にドコモが発売する機種で利用でき、2023年8月以前に発売した機種では利用できない。現時点での対応機種は、サムスン電子製の「Galaxy Z Flip5」と「Galaxy Z Fold5」に限られる。
いつでもカエドキプログラムといつでもカエドキプログラム+ともに、24回払いで端末を購入し、23カ月目までに端末を返却すると、機種ごとに設定されている24カ月目の「残価」の支払いが免除される。両者の違いは、22カ月目までに端末を返却した場合に適用できる特典。
現行のいつでもカエドキプログラムにも、1年で機種変更をする人に向けた特典がある。それが「早期利用特典」で、22カ月目までに端末を返却すると、13カ月目〜23カ月目の分割支払金から一定の金額が割り引かれる。この金額は機種によって異なり、2023年8月時点では、300円〜1700円に設定されている。13カ月目以降の金額が割り引かれるので、12カ月目に返却をするのが最もお得になる。
いつでもカエドキプログラム+では早期利用特典を適用するのではなく、13カ月目〜23カ月目の分割支払金がそのまま免除される。ただし22カ月目までに返却する場合、早期利用料として、5500円、8250円、1万2100円のいずれからの支払いが発生する。早期利用料も機種によって異なる。
いつでもカエドキプログラムといつでもカエドキプログラム+の違いは、ドコモのWebサイトに掲載されているこの図版が分かりやすい。いつでもカエドキプログラムでは13カ月目〜24カ月目に早期利用特典が適用されるのに対し、いつでもカエドキプログラム+では13カ月目〜24カ月目の分割支払金そのものが免除される
早期利用料を差し引いても13カ月目以降の支払いが免除されるのはインパクトが大きいが、実際のところ、どれだけお得になるのか。
Galaxy Z Flip5を例に考えてみたい。ドコモオンラインショップでのGalaxy Z Flip5の一括価格は16万820円で、残価は7万9200円に設定されている。
いつでもカエドキプログラムを適用して12カ月目に端末を返却した場合、7万9200円と、早期利用特典300円の11カ月分(13カ月目〜23カ月目)の3300円をあわせた8万2500円が割り引かれる。その場合の実質負担額は7万8320円となる。
・いつでもカエドキプログラム利用時の実質負担額:16万820円−(7万9200円+3300円)=7万8320円
一方、いつでもカエドキプログラム+を適用して12カ月目に端末を返却した場合、早期利用料として1万2100円を支払い、残価の7万9200円に、13カ月目〜24カ月目の分割支払金である3万9028円(3548円×11カ月)を足した11万8228円が引かれるので、実質負担額は5万4692円になる。いつでもカエドキプログラム+利用時の方が2万3628円お得になる。
・いつでもカエドキプログラム+利用時の実質負担額:16万820円+1万2100円−(7万9200円+3万9028円)=5万4692円
【訂正:2023年8月28日15時45分 初出時、Galaxy Z Flip5の分割支払金に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】
いつでもカエドキプログラム+はsmartあんしん補償の加入が必須
もう1つ、いつでもカエドキプログラム+ならではの条件として、ドコモの補償サービスである「smartあんしん補償」に加入する必要がある。利用料金は機種によって異なり、2023年9月以降発売の機種は月額330円、605円、880円、1100円に設定されている。
Galaxy Z Flip5の場合、smartあんしん補償は月額880円なので、12カ月目に返却した場合、最大で13回の支払いが発生する(端末購入の翌月が1回目の支払いになるため)。880円×13カ月分の1万1440円を加えても、いつでもカエドキプログラム+の方が安い。加えて、smartあんしん補償なら、安価な料金で端末の交換や修理が利用できるので、スマホが故障した際に負担を減らせるというメリットもある。
いつでもカエドキプログラムも引き続き選択できる
いつでもカエドキプログラム+はいつでもカエドキプログラムを置き換えるものではなく、いつでもカエドキプログラムも引き続き提供する。1年で機種変更をしやすくする特典として、「早期利用特典」か「13カ月目以降の支払免除(早期利用料の支払い+smartあんしん補償の加入)」を選ぶのか、という形になる。特典の選択肢が1つ増えたと考えればいい。
一方、いつでもカエドキプログラムを利用した際の早期利用特典が、いつでもカエドキプログラム+の対象機種である、Galaxy Z Flip5とGalaxy Z Fold5ともに300円と安く設定されているのは気になった。早期利用特典は高価な機種ほど高く設定されており、先代のGalaxy Z Flip4は800円、Galaxy Z Fold4は1500円だった。いつでもカエドキプログラム+の利用を前提にしているようにも受け取れる。
ただ、Galaxy Z Flip5の早期利用特典が、仮にFlip4と同じ800円だったとしても、12カ月目に端末を返却した際の割引額は8800円(+5500円)なので、いつでもカエドキプログラム+の方がお得であることに変わりはない。
いつでもカエドキプログラム+は2023年9月以降発売の機種が対象なので、次期iPhoneでも利用できるはず。iPhoneを毎年購入するユーザーも、いつでもカエドキプログラム+を選ぶのが得策といえる。
逆に、1機種を2年以上使うという人は、どちらのプログラムも24カ月目の残価が免除されるのみなので、実質負担額は変わらない。smartあんしん補償が不要という人は、いつでもカエドキプログラムを選ぶのがいい。
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