ドコモの「smartあんしん補償」、従来の「ケータイ補償」と何が違う?
9月15日、NTTドコモ(以下、ドコモ)が補償サービス「smartあんしん補償」を始めた。これまでの「ケータイ補償」とは何が違うのか。どんなユーザーに向くのかを整理してみた。
9月15日、NTTドコモ(以下、ドコモ)が補償サービス「smartあんしん補償」を始めた。毎年9月から10月にかけてはiPhoneやGalaxyといった新モデルが登場するため、すぐに買い換える人もいれば、買い換えを検討するユーザーもいるだろう。そこでsmartあんしん補償はこれまでの「ケータイ補償」とは何が違うのか、どんなユーザーに向くのかを整理してみた。価格は全て税込み。
ケータイ補償の月額1100円よりも安価に
smartあんしん補償は「購入した機種の補償」「イエナカ機器補償」「スマホ不正決済補償」「携行品補償mini」をパッケージングしたもの。「購入した機種の補償」はケータイ補償と同様の内容(後述)だが、smartあんしん補償では利用機種の故障や紛失などのトラブルに加え、デジタル機器の故障やスマートフォンでの不正決済などの補償が受けられるのが特徴だ。
実はこのsmartあんしん補償、月額363から1100円までのケータイ補償よりも安価な料金設定となっている。機種に応じて設定された月額料金は330円、550円、825円、990円と非常に太っ腹なものだ。
しっかり補償に入りたいか、またはスルーするのか、考え方は人それぞれだろう。
筆者も端末だけ購入するケースは多いが、購入時に加入せず失敗した例は多い。後から加入できればいいのだが、加入・非加入の判断をすぐにしなければならない。smartあんしん補償であれば、2022年9月1日以降にドコモが発売した対象機種の購入日、もしくは持ち込み機種での回線契約日を含めて、14日以内に加入する必要がある。
なお、14日を過ぎてしまった場合や、既にトラブルに遭っている機種では加入できない。2022年8月31日以前に発売の機種を購入した場合はケータイ補償の対象となる。
購入した機種の補償
購入した機種の補償は従来の「ケータイ補償サービス」と同様に、スマートフォンやタブレットなどの故障、水濡れ、盗難、紛失などのトラブル時に代替機種の提供や修理費用の一部サポート、電話帳などのデータ復旧費用を割り引くという内容。加入していれば「ケータイお探しサービス」の無償利用(別途契約が必要)も可能だ。持ち込み機種の場合は盗難/紛失は対象外となる。
代替機種は外装を新品に交換した「リフレッシュ品」を示す。サービスの利用は1年間に2回までで、負担金(免責料金)がかかる。
- 月額330円:5500円
- 月額550円:8250円
- 月額825円:1万2100円
- 月額990円:1万2100円
- リフレッシュ品(B品)の場合:4400円
イエナカ機器補償
イエナカ機器補償はPC、テレビ、ゲーム機など、自宅で使用中のデジタル機器が故障や破損した場合、最大7万円を補償上限額として修理や代替品を提供。本体のみ対象で、同居の家族の機器まで補償対象に含まれる。対象機器と補償上限金額は下記の通り。
- PC:7万円(データ復旧は5万円)
- タブレット端末:4万円
- テレビ:7万円
- ゲーム機(Nintendo Switchは本体購入時に付属していたJoy-Conを含むもの):3万円
- プリンター:3万円
- 外付けHDD:3万円
- ルーター:3万円
- AIスピーカー:3万円
- 一部のドコモ販売品:3万円
これらの補償対象機器が故障したら、契約者本人がその日から60日以内に「smartあんしん補償センター」(9時から20時(年中無休)まで)へ電話する流れになる。その際、故障した機器の型番や、故障状況などを確認する必要がある。
機器の修理を行うのは提携委託修理業者。修理不能という判断に至った場合、交換品が提供される。修理品・交換品の送付先を自宅に指定できる。
タブレット端末に関して注目すべきはiPadだ。ドコモを含む携帯電話通信会社以外で販売されたiPad、具体的にはApple Storeで販売されているiPadは補償の対象になる反面、「ドコモを含む携帯電話通信会社などにより販売された商品は補償対象外」となっている。
それにiPad(第9世代)ならAppleCare+未加入の場合の修理代金が3万9800円、加入の場合が4400円。そのため、購入するiPadや修理内容によっては、端数(自己負担する部分)が出てしまうが、4万円まで補償されるイエナカ機器補償なら、AppleCare+へ入らずにsmartあんしん補償の方がお得になる。
スマホ不正決済補償
スマホ不正決済補償では、QRコード決済や後払い式電子マネーなどで不正利用の被害にあった場合、最大100万円を補償する。
補償の対象になる主なケースは次の通り。
- クレジットカードなどまたは銀行口座の不正登録
- 決済アプリがインストールされた端末の盗難
- なりすましによる不正ログイン
- 後払い式電子マネーの不正使用
補償の対象外になる主なケースは次の通り。
- 決済事業者などから不正使用の認定を受けなかった場合(認定を受けても決済事業者から客観的な通知が行われなかった場合も含む)
- 利用するQRコード決済サービス等がセキュリティ基準を満たさなかった場合
- 国外で不正使用された場合
- クレジットカードなど、銀行口座またはQR決済システムが、国外で発行されている場合
- 利用者の過失または決済事業者などの破綻によって、決済事業者などから補償を受けられなかった場合
- 契約者が法人その他団体の場合、次の?と?が同一の者であることが資料によって確認できない場合
- 「smartあんしん補償」を契約している携帯電話の常時利用者
- 不正利用されたクレジットカード等の名義人またはQR決済システム等のIDナンバー等の登録者名
?smartあんしん補償を契約している携帯電話の常時利用者
?不正利用されたクレジットカードなどの名義人またはQR決済システムなどのIDナンバーなどの登録者名
不正被害に遭った場合、契約者本人がその日から365日以内に「smartあんしん補償センター」(9時から20時(年中無休)まで)へ電話する必要がある。保険金請求書、不正決済に関する確認書などを保険会社に発送し、必要書類受領後、保険会社にて支払可否を判断し、ユーザーの口座に保険金を支払うという流れだ。
携行品補償mini
携行品補償miniは日本国内で契約者本人が所有する腕時計やカメラなどの携行品に損害が生じた場合、最大1万円まで補償する。イエナカ機器補償、スマホ不正決済補償は利用機種の補償サービスに自動付帯されるが、携行品補償miniは別途、専用サイトからの申し込みが必要だ。
携行品といわれてもぱっと見だと何を示しているのかが分かりづらいだろうが、端的にいえば普段、持ち歩くものと捉えてもらえればいい。具体的には被保険者が所有し、かつ被保険者が居住する住宅外で、被保険者が日常的に携行および使用する、個人の生活物産に該当する。
携行品補償miniの場合、腕時計、カメラ、ワイヤレスイヤフォンなどが対象となる。対象外リストには船舶、自動車、携帯電話、PC、義歯、コンタクトレンズ、眼鏡、小切手、手形その他の有価証券、印紙、切手、プリペイドカード、電子マネー、クレジットカード、ソフトウェア、動植物、ゴルフ用品、釣り具などが含まれている。
1年目はキャンペーンで無料となっているが、それ以降も継続したい場合は月額110円からの有料となる。
こちらも外出先で所有物に損害が生じた場合、「携行品補償miniセンター」(10時から18時まで)へ連絡する必要がある。
誰向けのサービス?
まとめると、古い機種でケータイ補償に加入している(使っている端末にケータイ補償を紐付けていた)場合、新しい機種へ変更する際に古い機種にケータイ補償を残しておくか、あるいは新機種でsmartあんしん補償へ加入するのかを選べるが、先述の通り好きなタイミングで入れない。
コロナ禍で在宅勤務が増えている人にとっては、購入した機種の補償に加えて、イエナカ機器、そしてスマホの不正決済の補償が付いてくるのはうれしいところ。一方で、携行品となると、外に対象物を持ち出して、被害に遭った場合の補償になるので、家にばかり居る人にとってはあまり得する場面は多くないだろう。
とはいえ、あらゆる面でガッチリした補償がいい、という人にとっては、スマホライフに“あんしん”をプラスできるsmartあんしん補償が魅力的に思えるはずだ。
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