“Googleにはなく楽天にある強み” 楽天モバイルと楽天市場の関係性、三木谷氏が新春カンファレンスで熱弁(2/3 ページ)
楽天グループは1月25日、グランドプリンスホテル新高輪(東京・港区)で「新春カンファレンス2024」を開催した。対象は主に楽天市場に出店する店舗だが、代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏の基調講演が報道陣にも公開された。基調講演で語られた内容をお伝えする。
Googleにはなく楽天グループにあるもの 楽天グループはAIをどのように活用するのか
楽天市場や楽天モバイルを抱え持つ楽天グループの強みは何か。三木谷氏は次の3つを挙げる。
まず1つ目は楽天グループが持つ取引データだ。「楽天グループは、世界中を見ても類を見ないほど、膨大なデータを持つ企業である。楽天会員数が国内で既に1億を超え、2023年に6600億円相当のポイントを発行した楽天グループは、膨大な取引データを持つ」とアピールする三木谷氏は、「Googleには検索データがあるが、楽天グループのような取引データはない」と自社の優位性を語る。
ショッピング、トラベル、金融、モバイルなどあらゆる分野のサービスを1つの会員IDで使えることが楽天グループの強みであり、さまざまなデータが1つの会員IDでひも付いているという点においても、「世界的にまれな会社である」(三木谷氏)ことの表れだという。
2つ目は「Rakuten AI for Business」だ。これは楽天グループが米OpenAIと協業することで、提供できる新たなAIプラットフォーム。AIでオペレーションの効率化を図ったり、戦略の立案を行ったりするなど、人為的な作業の負担を減らすことがメリットといえる。
そして、3つ目は楽天グループが多国籍の従業員や、約6000人のエンジニアなどを持ち、世界7カ国9都市に開発拠点を設けていることだ。「世界中から専門知識を持ったエンジニアが6000人ほど集まっており、さまざまな開発を行っている」(三木谷氏)
そんな楽天グループがAIをどのように活用するのか。三木谷氏はいくつかの例を挙げ、具体的なユースケースを示した。
例えば、楽天トラベルではユーザーがチャット欄に「どこかいい旅先はあるか」と入力すると、AIコンシェルジュが「いつ旅行するのか」「ユーザーさんの予算ならこのお店がおすすめです」などと自動で回答。おすすめの宿泊施設の提示からカスタマーサポートの業務に至るまでを自動化できるという。AIコンシェルジュは今後、導入される予定だ。
楽天生命では代理店向けAIアシスタント「ARIA(アリア)」と生成AIが連携することで、自然な言葉で営業活動時の留意点や話題を提供できるという。例えば、「高額医療費制度について教えて」というユーザーの質問に対し、ARIAは主な特徴を箇条書きにして示す。「ARIAがユーザーの秘書代わりとなり、実際に話しているような体験を得られる」(三木谷氏)
楽天モバイルでもAIを活用している。ネットワークを利用可能な状態にするなどの作業を自動化することで、ネットワークの構築工数を大幅に削減している他、ネットワークの運用にAIを活用し、通信障害を未然に防いだり、障害発生後も迅速な復旧を目指したりできるという。
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