事故に遭うとスマホが自動通報 「衝突事故検出」機能で“誤報”が多い理由とその対処法(2/2 ページ)
近年のスマートフォンには、交通事故などによる強い衝撃を検出すると、自動的に消防署などへ通報する「衝突事故検出」という機能が備わっている。ただし、予期せぬまま通報してしまうことも多い。今回は消防関係者に聞き取りを行い、スマートフォンの機能による誤報があるのか、万一通報してしまった際の対応を聞いた。
間違いで通報したときはどうすればいい?
万が一、衝突事故検出機能を誤って作動させ、消防へ誤通報してしまったときの対応方法を解説しよう。聞き取りした消防関係者によると、予期せず緊急通報をしてしまった場合は、折り返しでもいいので、電話にて必ず「間違いだった」と伝えてほしいとのこと。また、消防署の電話番号は全国的に「119」や「911」の数字が入るものが多く、折り返しの不在着信時は目印にもなるので、参考にしてほしい。
常日頃から緊急通報を受け取る消防の指令室では、スマートフォンの機能による緊急通報の存在は認知されており、「スマートフォンの機能による誤報だった」と伝えてもらえれば特におとがめもなく対応される。地域によっては、発信者の名前等の確認が行われることもあるが、その場合は通話先の担当者の指示に従ってほしいとのこと。
これは緊急SOSについても同様だ。スマートフォンの電源キー長押しなどの操作で警察に通報できる機能だが、こちらも誤操作などで通報してしまう例が多いという。これも誤報だった場合は同様に「間違いだった」と連絡することが大切だ。
「スマートフォンにこのような機能が搭載されることで、助けられる命があることは事実」(消防関係者)であり、衝突事故検出機能に対しては肯定的な意見をいただいた。一方で前項のような誤報が増えることを懸念しており、スマートフォンなどの購入時に「衝突事故検出の緊急通報」といった機能があることを知った上で利用してほしいとしていた。
筆者としても、衝突事故検出による自動通報機能は多くのスマートフォンに搭載してほしいと思っている。実際に交通事故に遭遇すると分かるが、乗っていた車両が横転、大破するような場面では仮に体を動かせても警察や消防へとっさに連絡することは極めて難しい。多くの場合は動転して電話口でも情報を正確に伝えられず、スマートフォンが衝突を検知して数分以内に自動通報してくれるだけでも気持ちが楽になる。
この機能に助けられるシーンは日本だけでなく、海外で利用する場合でも同様だ。ローミングなどで利用しても現地の指定機関に通報されるため、救急機関の電話番号が分からないシーンでも有効だ。
衝突事故検出機能は、もしものときに役立つスマートフォンの「お守り」的な機能としておくこと、過度な衝撃を与えると誤って通報してしまう可能性があることを覚えておいてほしい。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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