Googleが買収した送金アプリ「pring」、新規登録受付を6月10日で終了
送金サービス「pring(プリン)」は、2024年6月10日で一部サービスを終了する。同社が4月11日から案内している。6月10日で新規登録、公式アカウント、投げ銭、メンバーシップカードの提供を終了する。
送金サービス「pring(プリン)」は、2024年6月10日で一部サービスを終了する。同社が4月11日から案内している。提供終了により行えなくなるのは、アプリからの新規登録、公式アカウントの閲覧、投げ銭/メンバーシップカード機能の利用だ。
pringは2018年3月8日、「相手にスマホでメッセージを送るような感覚で、簡単にお金のやりとりができるアプリ」として、正式提供が始まった。スマートフォンのアプリを使って他のユーザーに送金をしたり、店舗でQRコード決済をしたりできる。銀行口座からチャージができ、やりとりしたお金を銀行口座に戻して現金化(出金)することができる。
pringのサービス開始当時、日本では「○○ペイ」といった決済サービスが乱立していたが、pringはあえてその波に乗らず、特殊な立ち位置で決済市場に参入した。pringの「ring」は「お金のコミュニケーションの輪を広げていく」ことを意味し、やりとりを現金ではなくアプリから1円単位で行える点をアピールしていた。
例えば、現金での割り勘だと、相手に請求しづらい雰囲気や、飲み会の後の口約束だと──言った言わない──になってしまいがちだが、pringではメッセージ機能を利用し、立て替えた人が請求内容を相手に伝えられ、やりとりの記録を互いに確認できるため、口約束を原因としたトラブルにはなりづらいはずだ。
独自の着眼点でユーザーファーストな機能をアピールしていたpringはその後、プラットフォーム上の投稿に対し1円から応援できる投げ銭機能を追加した。アプリから相手を選び、金額とメッセージを入力して送信する。この投げ銭の機能は提供終了後、利用できなくなる。
同じく利用できなくなる機能の1つであるメンバーズカード機能は、メンバーズカード発行用コードの入力だけでメンバーズカードを発行できる。pringは、導入側にとってのメリットに「デジタルメンバーズカードのアプリを一から構築するのと比べ、低コストかつ負担を大幅に軽減できる」ことを挙げていた。
2021年7月13日には、Googleがpringの株式取得に向けた契約を締結し、ITmedia Mobileをはじめとする各メディアがGoogleによるpringの買収を報じた。当時の筆頭株主であったメタップスの全保有株をGoogleが買い取った形だった。Googleもモバイル決済サービスを提供しているが、pringの取り込みにより「Google Payに送金機能を追加したい思惑がある」と見られていた。
関連記事
- Google、スマホ送金サービスの「pring」を買収
7月13日、Googleがpringの株式取得に向けた契約を締結した。pringの親会社であるメタップスが、pringの全株主をGoogleに譲渡する。pringによると、現時点でpringのサービスに変更はないとのこと。 - 決済手数料「0.95%」 個人間送金+モバイル決済サービス「pring」の挑戦
2018年3月から提供している決済サービス「pring(プリン)」。銀行口座からアプリに即時チャージができ、そのお金を他のpringユーザーに送金できる。店舗での決済にも対応しており、業界最安値の決済手数料「0.95%」を特徴に打ち出している。 - 無料送金アプリ「pring」、複数のアカウントを使い分けられる「マルチフェイス」に対応
無料送金アプリ「pring」が、10月4日に所属コミュニティや利用シーンによってアカウントの使い分けができる「マルチフェイス」に対応。アイコン、ニックネーム、プリンIDをアカウントごとに設定できる。 - 無料送金アプリ「pring」がセブン銀行ATMでの現金チャージに対応
無料送金アプリ「pring」が、セブン銀行ATMからの現金チャージに対応。全国の「セブン-イレブン」などに設置されている2万5000台以上のセブン銀行ATMから、入金手数料無料でチャージできるようになる。 - 送金アプリ「pring」、セブン銀行ATMで出金が可能に
無料送金アプリ「pring」は、3月12日にセブン・ペイメントサービスのATM受取(現金受取サービス)へ対応。アプリ内の残高をセブン銀行ATMから24時間365日、いつでも引き出せるようになる。出金手数料は1日1回まで無料とし、「7カフェ ふわふわバウムクーヘン」の無料クーポンが貰えるキャンペーンも行う。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.