折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」がとある取材で大活躍したハナシ:ふぉーんなハナシ
Googleの折りたたみスマートフォン「Google Pixel Fold」。折りたたみ端末ならではのメリットをどのように享受できたのか。今回のふぉーんなハナシでは取材時の体験談を踏まえてお届けしたい。
Googleが2023年に開発者向けイベント「Google I/O」で発表し、7月27日に発売した「Google Pixel Fold」。使わないときは折りたたんでコンパクトにでき、開けば約7.6型の大きなディスプレイで地図や電子書籍を見れる他、アップデートによって2画面に翻訳結果を表示可能になったりと、1画面のスマートフォンより利便性が高い。
筆者はこのPixel Foldを発売日に入手し、半年以上、あらゆることに活用している。その中でも特に便利だと確信するに至った出来事が最近あった。
それはイベントを取材したときのことだ。
実はこの取材会場、ペン記者が座れたのが、わずか4畳ほどの広さ。とても狭く、窮屈で缶詰状態だった。いつものようにノートPCを開いて、横にカメラを置いて……ということまでできるスペースは確保できなかった。
それでも写真を撮影し、テキストで記録を取り、要点をまとめて、記事にしなければならず、一瞬、それが叶うのか? とすら頭をよぎった。
Pixel Foldの何がどう役だったのか 一方で使いづらさも分かった
そこで、その全てをPixel Foldでこなすことにした。
Pixel Foldは完全に閉じた状態では5.8型のカバー(アウター)ディスプレイしか使えず、より大きな7.6型のインナーディスプレイは使えない。今回の会場で活躍したのはカバーディスプレイではなく、開いた状態で使えるインナーディスプレイだ。
会場が狭いことに慌てた筆者は、Pixel Foldを完全に開き、画面左側にボイスレコーダーのアプリを、画面右側にテキストエディターのアプリを表示させて、1台で音声記録と要点の両方を記録。狭い場所で7〜8型のタブレットを持ちながら、あれもこれも……というのは至難の業だったが、それでも記事にしなければという必死さから、苦肉の策を思いついたのだった。
Pixel Foldに標準搭載されているボイスレコーダーアプリは、記録した音声データを即時に文字起こしできるのが大きなメリットなので、今回の会場でも非常に助かったのだが、誰の発言なのかを区分けできないことが唯一の悩み。設定言語を英語にして、発言者も英語を話せば、誰の発言かが色分けされて分かるのだが、今回のイベントは日本語だった。
カメラは会場に持ち込めたが、先に述べたように缶詰状態なので、一眼レフに取り付ける大きなレンズまでは持ち込めなかった。冷静に考えれば、これもPixel Foldでこなせるはず、という結論に至った。記者が座れるスペースから登壇者の位置までは、望遠レンズをカメラに取り付けて、遠くの被写体を撮るまでもない距離感で、スマートフォンでも十分、高画質を保ったまま撮影できると考えた。
そのため、撮影するときにだけ、ボイスレコーダーとテキストエディターの画面から、カメラに切り替えて登壇者を撮影した。ここで不便だったのが、3つのアプリを一挙に表示できないことだ。バックグラウンドでいくつかのアプリを動かせるのは、他の端末と変わらないが、「Galaxy Z Fold5」のように2つ以上のアプリを重ねて表示させたり、3画面に分割して表示させたりできない。
Pixel Foldでできることはせいぜい2つのアプリを分割して表示させることくらい。どうしても3つのアプリをほぼ同時に使いたいのなら、先述のように2つのアプリの分割表示から、別のアプリに切り替えて使うしかない。
とはいえ、折りたたみスマートフォン特有の使い方として、インナーディスプレイでの作業を終えたら、閉じてコンパクトにできる。帰宅時の車中ではアウトディスプレイのみでX(旧Twitter)やWebを閲覧できたので、マルチタスクだけでなく折りたたみスマートフォンの構造が生む恩恵を受けられたわけだ。
余談だが、比較対象に挙げたGalaxy Z Fold5も、2024年4月中旬以降に行われるアップデートにより、ボイスレコーダーで録音データの文字起こしが可能になる予定だが、Pixelシリーズのようなリアルタイムでの文字起こしは実現しないそうだ。
再び缶詰状態の記者会見があれば、Pixel Foldを活用したいところだが、Galaxy Z Fold5でも録音、文字越こし、メモ、カメラの全てを1台でこなせるのか検証してみたい、とも感じた。それでも缶詰状態のイベントは居心地のいいものではないので、記者向けの名目で開催されるイベントはノートPCでテキストを記録したいところだ。
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