FCNTがLenovoグループ傘下になった意義 自律神経測定スマホ「arrows We2 Plus」はどこがスゴい?(3/3 ページ)
再スタートを切ったFCNTが5月16日に新型スマートフォン「arrows We2」「arrows We2 Plus」を発表し、今後の事業戦略を明らかにした。arrows We2はミッドレンジモデルで、arrows We2 Plusはミッドハイモデルとなる。どちらも「arrows We」の後継モデルで、堅牢(けんろう)性や独自機能がアピールされる。
FCNTと森谷名誉教授が共同開発した、自律神経の状況を確認できる機能も
新生FCNTの第1弾製品は、冒頭でも触れた通り、arrows We2とarrows We2 Plusだ。arrows We2 Plusは背面の光学式脈拍センサーで、自律神経の状況を確認できるのが大きな売りとなっている。外谷氏によると、「森谷名誉教授の力を借りながら共同開発した」という。
自律神経は本人の意思とは関係なく、自律的に働く神経。自律神経について、森谷氏は女性を例に挙げ、こう説明した。「女性ホルモンの分泌が低下すると、自律神経で体調を良くしようとするが、子宮が退縮して調節ができない。極端にいえば自律神経が低調な状態。更年期になると急に体温が熱くなったり、血圧が急に高くなったり、寒くなったり……という状態に陥ると、血圧の調節や食欲のコントロールなどができなくなる」
森谷氏は「臨床で使っている自律神経の状態の測定は1980年に動物実験から明らかになった。臨床では心電図で心臓が打つ脈拍を瞬時に計測しなければならない。後にコンピュータでも自律神経の状態の測定が可能になったが、周波数解析という高度なことを行わなければ、自律神経を解析することはできない」と測定の難しさを語り、「スマートフォンに実装されたすごさ」をアピールした。
測定基準は「森谷氏が蓄積してきた研究データ」(外谷氏)で、「年代別の平均値と実際の測定データを比較し、推定年齢を表示する他、活動するときに働く交感神経、休息やリラックスをするときに働く副交感神経を可視化した」(外谷氏)という。外谷氏は「測定したデータに基づき、自分の状態を知った上で、日常のヘルスケア行動のきっかけ作りにつなげたい」と述べた上で、「この自律神経見るだけではなく、鍛えるということ。この価値をお客さまに提供していきたい」とした。
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