中国Meizuはスマホから“AIデバイス”のメーカーへ転身 「Meizu 21」にその一端を見る
中国の老舗スマートフォンメーカーであるMeizu(魅族)は、2024年2月に新たな製品戦略を発表し、スマートフォンからAIデバイスへの転身を図るとしました。最新スマートフォン「Meizu 21 Pro」はAI機能を強化しています。AIアシスタント機能として「Aicy」を備えています。
中国の老舗スマートフォンメーカーであるMeizu(魅族)は、2024年2月に新たな製品戦略を発表し、スマートフォンからAIデバイスへの転身を図るとしました。
2023年11月に発表された「Meizu 21」が最後の同社のスマートフォンになる、とそのときは考えられたものです。しかし2024年2月末に「Meizu 21 Pro」をリリースしました。Meizu 21 ProはAI機能を強化したスマートフォンということで、これもAIデバイスの1つということなのかもしれません。Meizu 21にも同社のAIシステム「Aicy」が搭載されており、スマートフォンでありながらも、あえてAIデバイスとして引き続き製品開発を進めていくのでしょうか?
Meizu 21は角のエッジを立てたiPhoneに似た本体デザインをしています。プロセッサは意外にもSnapdragon 8 Gen 3を搭載。Meizuがぱっと出てきた新興メーカーではなく、古くからスマートフォンを開発しているメーカーだからこそ最高のプロセッサを搭載できるわけです。なお、同プロセッサを搭載できなければ、AI端末として送り出すことは難しかったでしょう。
カメラはメインが2億画素、超広角が1300万画素で、さらに500万画素のサブカメラを追加。焦点距離はそれぞれ22mm、15mm、27mmとなります。サブカメラは深度測定にも使うようで、カメラの周りにLEDライトが内蔵されています。
この背面のライトは「Aicyスマートリング」と名付けられており、通知などで光らせることが可能で、カスタマイズもできます。RGBカラーで光るので目立つことは間違いありません。他社の製品には見られない機能です。
そして同じ名称のAicyがMeizuのAIアシスタント機能となります。Aicyをオンにしておくと、スマートフォンに何か話しかけることで回答を得ることができます。簡単に「今日の天気は?」「今何時」といった質問を投げかけられるわけです。背面のAicyスマートリングは音声に応じて色の強さが動くなどインタラクティブ性も持たせています。
Meizu 21のスマートフォンとしての性能は悪くなく、むしろこれからAI機能を強化していけば独自の「AI端末」として他社との差別化が図れるかもしれません。「rabbit r1」のようなスマートフォンとは異なる形状のAIデバイスにも未来が感じられますが、Meizuには長年に渡るスマートフォンの製造ノウハウがあります。
Meizuは2024年中にスマートフォンに代わるAIデバイスを出す予定ですが、Meizu 21の後継機になるのか、あるいは全く新しい形状になるのか、今後の動きを注視したいところです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Meizu、“完全無穴”の新スマートフォン「ZERO」 eSIMや無線充電で実現
中国Meizuが、充電ポートもSIMスロットもないセラミックユニボディの無穴スマートフォン「ZERO」を発表した。独自の高速無線充電技術、eSIM、Bluetooth 5.0のサポートで無穴を実現。防水レベルはiPhone XSと同じIP68だ。
5Gのキラーコンテンツは中国で生まれる? 「5.5G」「6G」も見据え世界をリードする存在に
モバイル・通信関連のイベント「MWC上海2023」が2023年6月28日から30日まで中国・上海で開催された。通信キャリアは6Gに関するデモを披露。3DコンテンツやAIなど、新たな技術を取り入れた展示も活発だった。
vivoの折りたたみ最上位「X Fold3 Pro」に触れる 薄くて高性能で、画面内指紋センサーにも対応
中国メーカーの折りたたみスマートフォンは、元祖折りたたみメーカーであるサムスンの製品を上回る性能と仕上げのモデルが次々と登場しています。vivoの「X Fold3 Pro」は折りたたみデザインながらも、ディスプレイに指紋認証センサーを内蔵。カメラもかなり高性能です。
ポルシェデザインスマホが復活! 中国で「Magic6 RSR Porsche Design」発売、20万円超えでも大人気
ブランドコラボのスマートフォンとして一時期大人気だったポルシェデザインモデルが2024年に復活しました。HONORの「Magic6 RSR Porsche Design」は2年ぶりに復活したポルシェデザインスマートフォンです。ベースモデルは中国で2024年1月、グローバルでは2月に発表された「Magic6 Pro」です。
自撮り強化のHuawei「nova 12 Ultra」は高級バッグのような仕上げが美しい
Huaweiのスマートフォンの存在感が復活しています。2023年12月には「nova 12」シリーズが発売されました。最上位モデルの「nova 12 Ultra」は衛星通信にも対応する5Gモデルです。





