「Threads(スレッズ)」が節目の1周年 テキスト基盤のSNSはどう進化し、どこに向かうのか(2/2 ページ)
テキストベースのSNS、「Threads(スレッズ)」がサービス開始から1周年を迎えた。Threadsはコミュニティが集い、関心のあるトピックから次のトレンドまで、あらゆる情報についてオンラインで会話できる場。米Metaの日本法人が7月9日、オンラインでイベントを開催し、Threadsがどのように活用されているのかや、重点的に開発している機能などを紹介した。
Threadsがどのようなことに重きを置いているのか
では、Threadsはどのようなことを重点的に捉え、アップデートを重ねてきたのだろうか。山谷氏はThreadsにおける主な注力事項について、次の3点を挙げる。
- 利用者がよりタイムリーに情報を発信できること
- 安心して会話を楽しめるフレンドリーな場所を作り、維持すること
- クリエイターに価値を提供すること
1つ目のタイムリーな情報発信について、山谷氏はアプリだけでなくWebからもアクセスできることを関連づけて解説する。スマートフォン向けのアプリは1つの画面をスクロールするのに対し、Webでは横いっぱいに広がるPCなどのディスプレイを生かし、複数のタイムラインを1画面で表示できるようにした。
スポーツのスコアをリアルタイムに表示できるのも特徴だという。2024年7月にはNBAに加え、MLBの試合スコアも確認できるようになった。
2つ目のフレンドリーな場所の提供について、山谷氏は会話を促進することを目的に開発された「GIFやアンケート」を挙げる。活字だけでは表しづらい表現はGIFを使い、投稿主がアンケートを通じて読み手の考えを知るきっかけになる。
リプライできるユーザー(自らの投稿に返信できる人)の制限などの機能も、安心して利用できるThreadsのよさだろう。山谷氏は「この点はMetaが特に注力している機能の1つ」だとアピールする。
Instagramにも同様の機能はあるが、Threadsでも一般的に不適切とされる言葉を含む投稿を非表示にしたり、指定したキーワードを含む投稿やコメントを非表示にしたりできる。山谷氏はThreadsユーザーに対し、「ぜひこの機能を利用してほしい」と呼びかけた。
3つ目のクリエイターへの価値提供については、「Mastodon」など他のサービスとも連携する「フェディバース」に対応したことが挙がる。
フェディバースはフェデレーション(連合)とユニバース(宇宙)を組み合わせた造語だ。日頃、聞きなれない言葉だが、Threadsと他のサービスが相互連携することで、各サービスのユーザーが垣根を超えてつながりやすくなる――そんなイメージだ。
Threadsは今後も、誰もが安心して情報を発信できる場として、アップデートを重ねる予定だという。山谷氏は「アルゴリズムの改善や、さまざまな機能の開発、実装、誹謗(ひぼう)中傷をはじめとする望まないコミュニケーションを防ぐ機能を通して、利用者自身が自分の考えやアイデアを気軽にシェアできる場を目指す」とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
MetaのSNS「Threads」で何ができる? Twitterに似て非なる新勢力を解説
7月6日から日本でも利用可能になった米Metaの「Threads(スレッズ)」。Instagramの基板を活用したテキストベースでやり取りができる新たなSNSだ。Threadsで何ができて、何ができないのかを整理した。
Metaの新SNS「Threads」、日本でも利用可能に 初期設定の手順は?
Twitter対抗の新勢力として注目を集める米Metaの新たなSNS「Threads(スレッズ)」。日本でも利用できるようになった。利用を始めるまでの手順を説明する。
Metaの新SNS「Threads」ダウンロード始まる チケットの事前取得を忘れずに その手順を解説
米Metaは、テキストベースの新たなSNS「Threads(スレッズ)」を7月6日から提供する。それに先立ちダウンロードが可能になった。チケットを事前に取得し、サービス開始に備える手順を解説する。
Twitterの閲覧制限、事前告知がなかった理由は? X社がビジネス向けのWebページで釈明
一時的な閲覧制限で混乱の最中にあるTwitter。イーロン・マスク氏による突然の発表にTwitterへの批判が相次いでおり、事前に告知がない点について指摘する意見もある。Twitterはビジネス向けのWebページで、あらかじめ告知せずに閲覧制限を設けた理由を釈明した。
Twitterの利用を一時的に制限 マスク氏が明言 「Twitter終わり」などがトレンド入り(制限緩和)
イーロン・マスク氏は7月2日2時(日本時間)、Twitterの利用を一時的に制限すると発表した。理由は極端にデータが収集されることに加え、システムの操作に対処するため。今回は条件付きでの暫定的な制限となる。



