カラー電子ペーパー搭載「BOOX Go Color 7」で読書体験が超快適に テキスト主体なら文句なし(2/3 ページ)
カラー電子ペーパーを搭載したAndroidタブレット「BOOX Go Color 7」は、読書体験をどう変えるのか。実機を検証した。
カラー表示における解像度は低め コミックとの相性がいい
E Inkディスプレイは液晶と異なる特性を持っている。特筆すべき点として、E Inkは輝度でコントラストを表現できないため、カラー表示時に解像度が落ちてしまうという課題がある。
BOOX Go Color 7では、モノクロ表示時は300ppiの高解像度を実現しているが、カラー表示に切り替えると150ppiまで解像度が低下する。この解像度は初代iPad並みの解像感であり、細かい文字を含むコンテンツを閲覧する際に課題となる。
実際にさまざまな出版物を閲覧してみると、解像度の違いによる影響は媒体によって異なることに気付いた。相性がよかったのは漫画だ。くっきりとした線画でサイズもコミック版と近い。カラーページの塗り分けもイラスト的だから電子ペーパーと相性が良い。このため、漫画を読むには非常に適しているといえる。
雑誌の場合は、内容によって読みやすさに差が出た。週刊誌のようなモノクロページは非常に読みやすい。しかし、光沢紙に細身のフォントで印刷するようなグラフィックにこだわった雑誌では、文字が細すぎて読みづらいと感じた。
日経電子版の紙面ビュワーも使用してみた。タイトルは問題なく読めるものの、本文は拡大しないとほぼ読めない状態だった。これは、カラー表示時の解像度低下が原因だと考えられる。
SNSは“やや見づらい”が、それが逆にいい?
Androidタブレットなだけに、BOOX Go Color 7ではSNSやWebブラウザも利用できる。テキスト主体のSNSを利用する場合、リフレッシュモードを「A2」に設定すると比較的滑らかに閲覧できる。しかし、画像が多く含まれるコンテンツをスクロールしていくとゴーストが徐々に蓄積されていくため、スマートフォンで見るときほどの読みやすさは感じられない。
一見するとこれはデメリットに思えるが、実際には意外なメリットをもたらす。SNSに依存しがちな筆者にとって、この"少し見づらい"という特性は、SNSとの適切な距離感を保つために重要な要素となった。
まず、SNSの利用が自然と適度に抑えられる。気分転換程度にSNSを開くことはあっても、長時間没頭することが少なくなる。そして、SNSの閲覧後、自然と本に戻ろうという気分になれるのだ。さらに、SNSへの過度の没頭を防ぐことで、全体的な集中力の維持にもつながっている。つまり、この“見づらさ”は、デジタルコンテンツとの健全な関係を築くための、ある種の「仕掛け」として機能しているのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カラー電子ペーパーAndroidタブレット「BOOX Go Color 7」発売、モノクロ電子ペーパー搭載「BOOX Go 10.3」も
SKTは、電子書籍リーダー「BOOX Go Color 7」「BOOX Go 10.3」を発売。カラー電子ペーパー搭載でAndroidアプリをインストールできるモデルと、モノクロで解像度2480×1860(300PPI)の電子ペーパーを備えたモデルを提供する。
Rakuten Kobo、カラー対応を含む新型電子書籍リーダー3モデルを5月1日に発売 約2.1万円から
楽天グループのRakuten Koboは、カラー対応を含む新型電子書籍リーダー「Kobo Libra Colour」「Kobo Clara Colour」「Kobo Clara BW」の予約受付を開始。楽天Kobo電子書籍ストアなどで順次取り扱う。
Huaweiの電子ペーパータブレット「MatePad Paper」はM-Pencil付きで手書きもOK
PCの発表が相次ぎ、スマホメーカーというよりPCメーカーと思えそうな動きのHuaweiだが、タブレットの新製品「MatePad Paper」は目玉商品といえる。高級感のある背面仕上げで、上品なデジタルステーショナリーという印象を受ける。
世界初の“カラー電子ペーパースマホ”2機種の発色はどんな感じ?
中国のHisense(ハイセンス)は世界初のカラー電子ペーパー搭載スマートフォンを販売しています。5.84型4096色表示可能なカラー電子ペーパーは、カラーで描かれた電子コミックや電子絵本の表示に適しています。Hisenseはこのカラー電子ペーパースマートフォンを2機種扱っています。画質はどれほどなのでしょうか
Hisenseが世界初のカラー電子ペーパー搭載スマホを発表 なぜ今なのか?
家電メーカーHisenseの本業はあくまでテレビや家電製品であり、スマートフォンは同社の主力製品ではない。ところがこの4月になり特徴的なスマートフォンとタブレットを複数発表したのだ。同社のモバイル製品の特徴はディスプレイ。他社が採用しない新しい素材を搭載している。
両面スマホの今は? 中国で販売中の「YotaPhone 3」に見る未来
背面に電子ペーパーを搭載した「YotaPhone」が発売されたのが2012年。その後は後継モデルが出たものの、スペックアップで価格も高くなり販売数は失速。3世代目の「YotaPhone 3」も出ましたが、中国国内でひっそりと販売されている状況です。


