ドコモの新料金「eximo ポイ活」を分析 お得だが“dカード必須”が障壁に、裾野拡大には課題も:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
ドコモが8月に開始した新料金プラン「eximo ポイ活」は、dカードでの支払いで最大10%の還元を受けられる。ahamoポイ活と違い、eximo ポイ活での還元にdカードが必要になったのは、ユーザーの声を受けてのことだという。一方で、ユーザーの裾野はahamo ポイ活よりも狭くなる。
NTTドコモは、「eximo ポイ活」を8月1日に開始した。ポイ活プランとしては、4月に導入した「ahamoポイ活」に続く形となる。ahamoポイ活は、ahamo大盛りに「ポイ活オプション」を付ける形だったのに対し、eximo ポイ活は1つの料金プランとして、通常のeximoとは別建てになった。データ容量による金額の変動がないなど、通常のeximoともやや料金体系が異なっている。
ahamoポイ活と同様、終了日未定のキャンペーンとして当初は10%のポイント還元を行う。上限も5000ポイントと、ahamoポイ活よりも大盤振る舞いだ。一方で、還元の条件にはdカードが必須になっている点は、d払いなら残高での支払いも対象だったahamoポイ活との大きな違いといえる。ここからは、dカードの取扱高を伸ばしていきたいドコモの狙いが透けて見える。※料金は特記したもの以外、全て税込み。
データ容量無制限でdカードに10%還元、料金充当すれば2728円に
eximo ポイ活は、eximoと決済のポイント還元を連動させた料金プラン。通常のeximoは、1GB以下と1GB超3GB、3GB以上の3段階に料金が変動する段階制を採用しているのに対し、eximo ポイ活は無制限のみ。料金の変動がないという意味では、データ使用量の多いユーザーに向けたものといえる。各種割引適用前の料金は1万615円になる。2
通常のeximoと同様、家族で3回線以上契約している場合には、「みんなドコモ割」で1100円の割引を受けられる。また、固定回線とのセット割である「ドコモ光/home 5Gセット割」も用意。こちらも、料金から1100円が割り引かれる。これに加えて、料金をdカードで支払うと、187円の「dカードお支払割」が適用される。3つの割引で、料金は8228円まで下がる。この建てつけはeximoと同じだ。
eximoで3GBを超えたときの料金は、各種割引適用前で7315円。割引適用後は4928円に下がる。ポイント還元がある分、eximo ポイ活はeximoより3300円高くなる。ポイント還元はdカードやdカードで支払うd払いが対象で、還元率は終了時期未定のキャンペーンで10%になっている。還元の上限は毎月5000ポイントだ。
簡単にまとめると、eximoより3300円多く支払う代わりに、5000ポイント得られる権利を手に入れるということになる。毎月5万円、dカードやd払いを利用するユーザーであれば、eximoより1700円分お得になるというわけだ。この仕組みは、2200円のオプションを契約し、最大4000ポイントの還元を受けられるahamoポイ活に近い。もともとeximoを契約しており、かつdカードでの支払いが毎月5万円程度あるユーザーにとって、お得度の高い料金プランといえそうだ。
dポイントは、携帯電話料金の支払いに充当することも可能。ポイントは、税別の料金に適用される。5000ポイントなら、5500円の割引になるということだ。仮にeximo ポイ活で得たポイントを全て充当すると、料金は5500円引きの2728円にまで下がる。割引などの違いや経済圏連携もあるため単純には比較できないものの、この金額は楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」で20GBを超えたときの3278円より安い。
同じポイ活プランだが、ahamoポイ活はd払いでの還元だったのに対し、eximo ポイ活はdカードに主軸が置かれている。d払いも還元の対象になっているが、これは支払いをdカードに設定した場合に限定される。この点は、銀行や信用金庫からチャージした残高での支払いで還元を受けられたahamoポイ活との違いだ。
ただし、10%還元はあくまでキャンペーンという位置付けになっている点には注意が必要だ。時期は未定だが、終了後の還元率はdカードGOLDが5%、dカードが3%になり、その分だけ還元を受け切るためのハードルも上がる。その額はdカードGOLDで10万円。dカードだと16万6667円もの支払いが必要になる。3%や5%でもクレジットカードとしては十分高い還元率だが、eximo ポイ活を契約すると料金も3300円上がってしまうため、毎月の決済額によって契約するかどうかの判断は分かれることになりそうだ。
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