「Pixel 9 Pro Fold」と「Pixel Fold」を徹底比較 弱点だったカメラ画質が改善 “次”に期待したいことは？：発売当日レビュー（3/4 ページ）

Googleの折りたたみスマートフォンに新顔が登場した。「Google Pixel 9 Pro Fold」だ。先代「Google Pixel Fold」から何が進化したのかを比較レビューする。

[金子麟太郎，ITmedia]

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アウトカメラはデジタルズームの画質が改善

　アウトカメラについては、スペックだけを見れば、大きな進化がないと感じる。望遠カメラは0.5／1／5倍の光学ズームに対応しており、超解像ズームを合わせれば最大20倍のズームに対応する。構成は広角カメラ、超広角、望遠で変わらない。画素数は広角カメラ（約4800万画素）と望遠カメラ（約1080万画素）は同じだが、超広角カメラのみ約1080万画素から約1050万画素と少なくなっている。

アウトカメラはどれくらい進化したのだろうか。Pixel 9 Pro Fold（左）とPixel 9 Pro Fold（右）で撮り比べてみる

　実際に0.5／1／5倍の光学ズームと、20倍のデジタルズームにおける仕上がりを比較すべく、Pixel 9 Pro FoldとPixel Foldで昼間の風景と夜景を撮り比べてみた。なお、どちらも手持ちで、全てオート（カメラ任せ）にして撮影した。

　Pixel 9 Pro Foldの超広角カメラは、画角がPixel Foldの121.1度から127度へと広くなり、より広く撮影できる。昼間の風景ではノイズが目立ったり、手ブレが補正されなかったり……ということもない。

Pixel 9 Pro Foldの超広角カメラはよりワイドに撮影できるようになった。作例は左がPixel 9 Pro Fold、右がPixel Foldで撮影したもの（以下同様）

1倍ではほとんど差がない

2倍で撮影。ここでも差はほとんどない

5倍でもきれいに撮影できた

　「Pixel Foldで弱点だった部分が解消されている」と感じたのが、デジタルズームでの撮影だった。被写体に船を選んでみたが、Pixel 9 Pro Foldは遠く離れた場所からでも船の先端部分がきれいに撮影できるようになった。Pixel Foldだと、船の帆を張るためのワイヤーはゆがんだように写るが、Pixel 9 Pro Foldではピントがしっかりと被写体に合って、きれいに撮影できる。

デジタルズーム20倍で撮影すると、仕上がりに差があることが分かった。Pixel 9 Pro Fold（写真＝左）ではPixel Fold（写真＝右）よりも鮮明な写真を撮影できた

　夜景ならどう違うのかも気になるので、今度は夜の空港で撮影してみた。0.5／1倍は色味に若干の違いはあるものの、昼間と同様にほとんど差が見られなかった。ただ、光学5倍で比較すると、雲泥の差が出た。Pixel 9 Pro Foldでは遠くにある管制塔までクッキリと表現できるのに対し、Pixel Foldでは全体的にぼやけて、手ブレが十分に補正されていない。

空港のようにだだっ広い場所では超広角カメラをが役立つ。ただ、ワイドに撮影できるかどうかを除けば、Pixel Foldとほとんど代わらない仕上がりだ

1倍もほぼ同じ仕上がりだ

2倍に切り替えても光学ズームで夜景をきれいに撮影できる

5倍のズームで撮影すると、大きな違いを確認できた。手ブレが十分に補正されないPixel Fold（写真＝右）に対して、手前の薄暗い場所から後ろの建物まできれいに撮影できるPixel 9 Pro Foldのすごさを実感した

　より遠くまで夜景を鮮明に撮影できるのも、Pixel 9 Pro Foldだった。空港の看板の文字やカーゴ（貨物）は、Pixel Foldでは手ブレで分かりづらかったのだが、Pixel 9 Pro Foldでは確認しやすい。

　厳しい条件下であるため、塗り絵のようにつぶれてしまっているが、デジタルズーム20倍の進化も確かめられた。

さすがのPixel 9 Pro Foldでも夜景では20倍

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