折りたたみスマホの「メリット」「デメリット」を実体験から解説 “折りたためるiPhone”の登場は?(1/3 ページ)
使わないときはコンパクトにでき、使うときにだけより大画面で利便性を実感できる。それが折りたたみ式スマートフォンだ。そのメリットとデメリットを整理し、折りたためるiPhoneは登場するのかを考える。
使わないときはコンパクトにでき、使うときにだけより大画面で利便性を実感できる。それが折りたたみ式スマートフォンだ。日本国内かつ折りたたみスマホの市場には、横開きでタブレットのように使えるタイプの「Galaxy Z Fold6」「Google Pixel 9 Pro Fold」や、縦方向に開閉するタイプの「Galaxy Z Flip6」「motorola razr 50」シリーズ「Libero Flip」「nubia Flip 5G」が存在する。
一方、その特徴や注意点が十分に浸透していないゆえに、折りたたみスマホに手を出すべきか否かの判断もできず、普及につながりづらいと感じる。そこで、折りたたみスマホの利便性と欠点を整理し、どんな人なら手を出せそうか考えたい。
折りたたみスマホのメリットをタイプ別に考える
横折りタイプ:開けば小型タブレットに早変わり
まずは横折りタイプから見たい。横折りタイプは閉じればスマホサイズのカバーディスプレイを使え、開けば小型タブレットに近いサイズのインナーディスプレイを利用できるのが大きな利点だ。カバーディスプレイとインナーディスプレイのサイズはGalaxy Z Fold6が6.3型/7.6型、Pixel 9 Pro Foldが6.3型/8型となっている。
横折りタイプで受けられる恩恵は、カバーディスプレイよりもインナーディスプレイの方が多いと感じる。大画面でマルチタスクをしやすく、一般的なスマートフォンより大きな画面で動画を視聴できるからだ。
マルチタスクについては、Galaxy Z Foldシリーズなら3分割、Pixel 9 Pro Foldなら2分割し、複数のアプリを同時に表示できる。Webサイトで調べた目的地の詳細を見ながら、地図でルート検索の結果を確認できるし、ニュースサイトの記事を読みながら、その記事の反響をSNSでチェックすることもできる。いわば、ながら作業や同時進行が可能だ。
Galaxy Z Foldシリーズでは3分割にして、より多くの情報を一度に取得できるが、スペースが限られているため、小さく表示されるアプリもある。画像は「Galaxy Z Fold4」で、左がX、右上がYouTube、右下がITmedia Mobileのトップページ
縦折りタイプ:使わないときは折りたたんでコンパクトに
縦折りタイプはどうか。縦折りタイプでも横折りタイプと同様、画面分割はできるが、2分割までとなっている。ただし、インナーディスプレイのサイズは横折りタイプより小さい。サイズはGalaxy Z Flip6が約6.7型、razr 50は約6.9型だ。
一方、縦折りタイプの利点は横折りタイプでは実現できないサイズ感にある。インナーディスプレイを利用するときのサイズは一般的なスマートフォンに近く、利用しないときは折りたたんでコンパクトにできる。閉じた状態の厚さはスマートフォン2台分に近いため、薄いとは断言しづらいところだが、それでも服やカバンのポケットによっては収まる。
- Galaxy Z Flip6:折りたたみ時が約71.9(幅)×85.1(高さ)×14.9(厚さ)mm、展開時が約71.9(幅)×165.1(高さ)×6.9(厚さ)mm
- motorola razr 50:折りたたみ時が約73.99(幅)×88.08(高さ)×15.85(厚さ)mm、展開時が約73.99(幅)×171.3(高さ)×7.25(厚さ)mm
- Libero Flip/nubia Flip 5G:折りたたみ時が約76(幅)×88(高さ)×15.5(厚さ)mm、展開時が約76(幅)×170(高さ)×7.3(厚さ)mm
横折り/縦折り共通の利点:好きな角度にディスプレイを固定できる
……と、ここまで聞くと、折りたたみスマホの利点は、横折りタイプが大画面、縦折りタイプがコンパクトだけなのか? と思われるだろうが、実はそうでもない。実は両者に共通する利点がある。それはくの字型にした状態での使い方だ。くの字型というのは横から見たときにそう見えるという意味で、実際には好きな角度にディスプレイを開いて固定させた状態を指す。
横折りタイプならくの字にしたときに、インナーディスプレイの半分をコンテンツ視聴に、もう半分(設置面)をコントローラー用途などに使える。スタンドを用意することなく、好きな角度でコンテンツを楽しめる。
Galaxy Z Fold6の「フレックスモード」を利用すれば、ギャラリーで写真を表示した状態で本体をくの字にして置くと、上半分は写真の閲覧に、下半分はPCのようなタッチコントロールに使える。Webブラウザアプリでは上半分にサイトを表示し、下半分でスクロールできる。
縦折りタイプでも上記と同じようなことができるが、コンパクトゆえに撮影しやすい。カメラを立ち上げて半開きにして、適当な角度に調整して手のひらや机上に置くと、上半分でプレビューを確認でき、下半分をコントロールパネルとして使える。Galaxy Z Flip6、motorola razr 50なら手のひらをインカメラに向ける、Libero Flip/nubia Flip 5Gならインカメラに向かって手をふる(ピースする)だけでシャッターを切れる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
出そろった「Galaxy Z Flip6」の価格を比較 ドコモ、KDDI、Samsungオンラインショップでお得なのはどこ?
NTTドコモ、KDDI、サムスン電子ジャパンは7月31日、Samsung Electronics製の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip6」を発売する。ドコモオンラインショップ、auオンラインショップ、Samsungオンラインショップにおける販売価格が出そろったので、どこがお得なのかを比較する。記事内の価格は全て税込み。
「Galaxy Z Fold4」の保護フィルムに気泡が入るも、ドコモショップにて5分足らずで交換できたハナシ
折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold4」を愛用している。発売日以降、約2年間使っているが、ディスプレイを保護するフィルムに気泡が入ってしまった。交換した方がよいのか、交換できる場合に気をつけるべきことは何か、サムスン電子ジャパン広報の回答と実体験を踏まえ、まとめた。
ヒンジが壊れて開けなくなった「Galaxy Z Flip4」 修理や売却はできる?
折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip4」(楽天モバイル版)が壊れた。ヒンジにゴミが混入したことが原因と思われる。修理できるのか、いくらかかるのか――実際に確かめた。
iPhoneの折りたたみモデルはいつ登場する? Appleが取得した特許から予測する
Googleが同社初の折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」を7月に発売します。Appleは2024年〜2025年に折りたたみスマホを投入すると予想されています。製品に関するうわさはあまり出ていないのですが、Appleが取り組んでいるらしい折りたたみ技術に関する情報は、特許出願という形でいくつか見つかっています。
縦折スマホ「Galaxy Z Flip」と「razr」は何が違う? 実機写真で比べてみた
2020年はディスプレイを縦にたたむスマートフォンが増えそう。モトローラの「razr」に続き、サムスンが「Galaxy Z Flip」を発売しました。2機種を見て、触れた筆者が違いを比較してみました。









