「AQUOS sense9」の“撮り心地”はどう? 「AQUOS R9」と比較する 魅力はペットと人物を切り替えるポートレート:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/2 ページ)
シャープ製のスタンダード(ミドルレンジ)スマートフォン「AQUOS sense9」のカメラって、どうなんでしょうか? 先に発表されたハイエンドモデル「AQUOS R9」と比較しながら試してみましょう。
人物の写りは好みが分かれる?
とはいえ、なぜかAQUOS R9よりsense9の方がレスポンスがよいシーンもある。それはポートレートモードだ。撮影後の「保存中です」の表示が、AQUOS R9の方がちょっと長い。中で行われている処理が違うのだろう。結果としてどのくらい差が出るか、撮り比べてみよう。
ちょっと残念だけど、ポートレートモード時はズームが「1x(等倍)」のみとなる。
R9とsense9。どちらもデフォルト(ぼかし5/美肌5)で撮ったのだが、R9の方がちょっとぼかしが大きく、肌の描写も違う。
やはりR9の方がカメラっぽい、というかナチュラルに撮れる。シャドー部はぐっと抑えられているし、肌もリアルだ。
逆に、sense9はスマホカメラっぽい写りになる。シャドー部も明るく持ち上がっているし、肌もかなり補正されている。
これは興味深い違いで、どっちがいいというのではなく、方向性の違いだ。同じAQUOSでも、機種によって画作りに差が出ているのである。
比較はこのくらいにして、sense9で撮った人物写真をいくつか。ストリートピアノを弾く(ふり)を。
2xにしてぐぐっと寄ると、瞳をちゃんと捕まえてくれる。
続いてインカメラで自撮りをしてみよう。
sense9の自撮り時の画面がちょっと面白い。「ここに顔を入れて撮ってね!」といわんばかりの画面になるのだ。
そしてやはり、自撮り時もR9とsense9で画作りの差が出たのである。
ペットモードもあるポートレートモード
で、ポートレートモードの話に戻る。カメラを犬や猫に向けると動物と認識するわけだが、そのとき、「ペットモードに切替」ってボタンが出ることがある。これをタップすると、ポートレートモードの「ペットモード」になる。
このボタンは、ぐぐっと寄ると出やすいようだ。
ポートレートモードにペットモードと人物モードを持っており、両者を切り替えられるのだ。人物時の「美肌」が、ペットだと「毛並み」となるのがユニーク。
もちろん、人物や動物以外の被写体でも、ポートレートモードにすれば背景ぼかしを使える。
動画撮影性能にも違いあり 総じて「ターゲット」による絵作りの違いが
なお、基本性能の違いから、AQUOS R9とAQUOS sense9には動画機能にも違いがある。どちらも最大で4K(3840×2160ピクセル)/30fps撮影に対応しているのだが、R9には「Proビデオモード」があり、背景をぼかしたシネマっぽい動画を撮れる。それに対し、sense9にはProビデオモードがない。
じゃあトータルでみるとどっちがいいか?
画作りについては、好みは人によるので、どっちがいいとは判断できない。ただ、ターゲットに応じた違いはあるといってもいいんじゃないかな。
基本性能に差はあるとはいえ、画質面で予想以上にsense9は健闘している……のだけど、料理の影を消す機能がないのは残念だった。
さてこうなると気になるのが、最高峰モデルの「AQUOS R9 Pro」である。そのレビューは、別の機会に譲りたい。
(製品協力:シャープ)
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