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「Xiaomi 14T Pro」と「AQUOS R9」のカメラや使い勝手を比較 重視するのは性能か、安心感か?(2/2 ページ)

日本では「ライカ」を冠するスマートフォンが複数発売される世界的に見ても異例の地域だ。今回は11月末に発売された「Xiaomi 14T Pro」と7月に発売された「AQUOS R9」を比較し、両者のカメラ、使い勝手について比較してみる。

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パフォーマンスで選ぶならXiaomi 14T Pro、長く安心して使うならAQUOS R9

 前回比較したAQUOS R9とXiaomi 14 Ultraでは「カメラだけ」ならXiaomi 14 Ultraが圧倒的に優位と結論付けた。今回のAQUOS R9に近い価格帯のXiaomi 14T Proを用いた比較では、機能面もグッと近いものとなり、正直なところ「選ぶのが悩ましい」と評価するくらい拮抗(きっこう)している。

 カメラについては、どちらもライカのエッセンスを十分に感じられ、高いクオリティーに仕上がっていると評価したい。強いていうなら、より大型のセンサーと望遠カメラを備えるXiaomi 14T Proの方が「カメラ」としてみたときの満足度は高い。

Xiaomi 14T Pro 比較
ライカのエッセンスを体感する意味では10万円クラスの両者でも十分体感できる

 基本性能はDimensity 9300+を採用するXiaomi 14T Proの方が高い。Snapdragon 7+ Gen 3を採用するAQUOS R9も十分高性能だが、余裕があるのはXiaomi 14T Proの方だ。ゲームなどで遊ぶ機会が多い方はXiaomi 14T Proの方がより快適に遊ぶことができる。

 ソフトウェア面ではXiaomi HyperOSによるメーカー独自のギャラリーアプリなどを備えているので、画像編集などでは優位。Xiaomiのライカ共同開発スマホではおなじみのアートフレームも付けることができ、AIを用いた編集機能も利用できる。

Xiaomi 14T Pro 比較
ゲームなどはより高性能なXiaomi 14T Proの方が有利だ

 Xiaomi 14T Proの利点として、120Wの超急速充電に対応している。朝食を準備する間など、ほんの20分程度の時間でフル充電ができるため、筆者も急いでいた場面で何度も助けられたことがある。

 これに加えてワイヤレス充電にも対応しており、使い勝手も前世代機から向上した。普段の生活にこのようなスマートフォンが浸透すると、もう他の機種に乗り換えることは難しくなるくらい、生活に変化の生まれる機能だ。

 端末サイズやデザインは好みの世界だが、サイズはAQUOS R9の方が一回り小さく、ディスプレイも6.5型と小さい。また、AQUOS R9は電源キー一体型の指紋認証、Xiaomi 14T Proはディスプレイ内指紋認証という違いもある。このあたりは体感的に大きく異なるので、店頭で実機を確認してほしい。

Xiaomi 14T Pro 比較
端末サイズはAQUOS R9の方が小型。ディスプレイはどちらもフラットディスプレイを採用する
Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較
デザインは好みの差。Xiaomi 14T Proは一般的なスマートフォンらしいデザインだが、AQUOS R9は特徴的なカメラ部が印象的
Xiaomi 14T Pro 比較
AQUOS R9は電源キーが指紋認証を兼ねている

 AQUOS R9の利点は、安心して使える要素が多いことだ。おサイフケータイ(FeliCa)の対応はもちろん、日本での支持が強いmicroSDが使えるハードウェア的な利点を持つ。IP6X、IPX5/IPX8の防水・防塵(じん)だけでなく、MIL-STD 810-H(16項目)を取得しており落下や低温環境といった場面でも安心できる。

 ソフトウェアも「簡単モード」をはじめとした利用者のニーズに応える機能を多く備えている。3回のOSアップデート、4年間のセキュリティアップデート提供も公表している点も長く安心して使える要素だ。

 ソフトウェアアップデートの回数や提供年数について、Xiaomi 14T Proは記事執筆時点で公表されていない。AQUOS R9がこの点をしっかりアピールしているため、長く安心して利用できるかという視点ではAQUOSの方が優位に立つと考える。

 AQUOS R9は家電量販店やECサイトをはじめとしたオープンマーケットに加え、ドコモ、ソフトバンクでも取り扱いがある。ケースや画面保護フィルムなどもAQUOS認定品を中心に数多く展開されており、家電量販店でも購入できる。購入後のサポートを考えて通信キャリアで販売されるAQUOS R9を狙うのもアリと考える。

 一方でXiaomi 14 Ultraで課題とした普段使いの要素や販路は、Xiaomi 14T Proで改善してきた。おサイフケータイ(FeliCa)の対応はもちろん、IP68等級の防水も備えており、普段使いしやすくなった。販路もオープンマーケットに加え、通信キャリアではソフトバンクが取り扱う。加えて、オープンマーケット向けにはより大容量の512GBモデルも展開するなど、選択肢が広がった。

性能の差か? 価格はXiaomi 14T Proがやや高い

 最後に価格を見ていこう。Xiaomi 14T Proはソフトバンク向け(12GB+256GB)が12万4560円。オープンマーケット向けモデルはメーカー直販でメモリ12GB+ストレージ256GBの価格が10万9800円だ。これに対しAQUOS R9(12GB+256GB)はキャリアモデルが11〜12万円前後に設定されており、オープンマーケット向けモデル(12GB+256GB)はシャープ直販の9万9880円が安い。

 スペックが高い分、価格もXiaomi 14T Proの方がやや高いが、「日本で使うスマートフォン」として見ると、シャープの方がバランスがよい。microSDスロットや耐衝撃機能といった日本向けの機能が充実しており、単純にスマートフォンとして使いやすい。

 SNS上でもAQUOS R9について「microSDスロットがうれしい」「耐衝撃もあって安心」という声が散見されるなど、ライカ監修カメラ以外の要素でしっかりニーズに応えている。

 そんなライカのカメラを冠するこの2機種は予算や通信キャリアはもちろん、スマートフォンにおいて重視するものが「カメラ」なのか、「普段使いのバランス」なのかで大きく変わってくる。普段使いでも「カメラ性能」「スペックの高さ」に重きをおくのであればXiaomi 14T Proを、日本での「使い勝手のよさ」「長く安心して利用する」に重きをおくのであれば、AQUOS R9を選択するといいだろう。

著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

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