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「Galaxy S25」と「Galaxy S25 Ultra」のカメラはパッと見同じだけど結構違う AI撮影機能を試しつつ比較荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/2 ページ)

Galaxy S25のベースモデル「Galaxy S25」のアウトカメラは、フラグシップの「Galaxy S25 Ultra」と比べると「5x望遠カメラがないだけ」と思われがちだが、実は意外とスペックに違いがある。それがどういう影響をもたらすのか、AI機能をチェックしつつ比べてみよう。

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AIを使ったフィルター機能は使える?

 Galaxy S25やS25 Ultraのカメラでは、フィルター機能がリニューアルされている。色や階調をコントロールして好みの“画作り”を実現する機能だけど、エフェクト性を抑えて、画作りを微妙にコントロールできるようになった。

 こういう「ピクチャースタイル」的なものは、昨今のスマホカメラのトレンドでもあり、iPhoneにおける新しい「フォトグラフスタイル」に似た感じのものだ。

 スタイルは「ブリーズ」「パルス」「クリスタル」「シバー」「チル」「グロー」「アンバー」「サンビーム」「シャドウ」「シェード」とデフォルトで10種類が用意されている。名前だけだと、どう違うのかよく分からないのもあるけれど、リアルタイムでサムネイルが並ぶので、それを参考にして選ぶといい。

Galaxy S25レビュー
Galaxy S25でフィルターを選んでいるところ。これは「シバー」。フィルターをかけていると右上のアイコンが黄色くなる

 いくつか撮り比べたのでピックアップ。

Galaxy S25レビュー
フィルターをかけてないオリジナルの状態がこれ(明るい室内で2x望遠で撮影)
Galaxy S25レビュー
フィルター「シバー」を適用すると、シャドー部がぎゅっとしまる感じ
Galaxy S25レビュー
フィルター「サンビーム」は分かりやすい。日差しを浴びた感じの色合いになる
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フィルター「チル」を適用すると、ちょっと青みがかかってくる。屋外向きのフィルターかな
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フィルター「クリスタル」をかけると、明るくクリアになっている。これは使いどころが多そう

 それぞれのフィルターは、「色温度」「コントラスト」「彩度」「フィルム粒子(フィルムカメラっぽいざらつき)」などを調整できる。

Galaxy S25レビュー
クリスタルを選んで、コントラストを調整しているところ

 また、今まで撮った写真から1枚を選んで、それを元に新しいフィルターを作ることもできる。選んだ写真を解析して、フィルターを作ってくれるのだ。ただし、これはちょっと使いこなしが難しいかなという気はする。

Galaxy S25レビュー
ライブラリにある画像の色合いや明るさなどを生かしたフィルターを自動的に作ってくれる。ただ、うまく使いこなすのは難しいかもしれない

「Galaxy AI」はどう使う?

 そして、カメラや写真における「Galaxy AI」の話をしていこう。基本的に、写真に関するGalaxy AIが力を発揮するのは撮影した後だ。

 分かりやすいのがAIを駆使した不要なものの消去。Googleでいうところの「消しゴムマジック」に相当する機能だ。

Galaxy S25レビュー
彼女が自撮りしている風景を後ろから撮っているのだが、わたしが思いきり写り込んでる(当たり前だけど)

 上の写真から、写り込んでるわたしを消すのである。

Galaxy S25レビュー
ギャラリーからAIアイコンをタップして……
Galaxy S25レビュー
消去したいものを丹念に選んでから……
Galaxy S25レビュー
消しゴムアイコンをタップすると“透明”になる。最後に「生成」をタップすると、AIががんばって背景部分を生成(補間)してくれる
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これが出力結果。彼女の自撮りから、無事わたしが消えました。左下に「AIで作成されたコンテンツ」と入るのがポイント

 他にも、ラフにスケッチしたオブジェクトを写真に挿入する機能とかもあるけれど、今回注目したいのは編集機能を介さない補正だ。

 例えば下の写真。飛行機を10xで撮ったのだけど、ご覧の通りすごくブレている。

Galaxy S25レビュー
Galaxy S24 Ultraの10xで撮った旅客機。大きくブレてしまった

 この写真をギャラリーで表示して、上にスワイプしてやる。すると「補正」ボタンが現れる。

Galaxy S25レビュー
「補正」と「ライブエフェクト」のボタンが現れた

 そして「補正」をタップすると……なんと手ブレを補正してくれるのだ。しかも、補正の前後を見比べることもできる。

 元の写真が大きくブレたので、補正後もちょっと不自然なところ残っている。けれど、小さなブレならキレイに補正してくれる。

Galaxy S25レビュー
補正をかけると、前後を並べて見せてくれる。ブレが自動補正されたのだ。これでOKとなったら保存すればいい

 これ、写真によって現れるボタンが違うのがミソである。例えば、イヌ/ネコや人の写真だと「補正」「ライブエフェクト」に加えて「背景ぼかし」ボタンが現れる。

Galaxy S25レビュー
神社に散歩に来ていたイヌ(名前はルーク……だったかな)が寄ってきたので思わず撮影したもの。「補正」「ライブエフェクト」に加えて「背景ぼかし」ボタンが出てきた

 ここで「背景ぼかし」をタップすると、その名の通り背景をしっかりとぼかしてくれる。

Galaxy S25レビュー
見事、背景をボカしてくれた

 追加のボタンは、他にもいくつかバリエーションがある。写真によっては「影を消去」「反射を消去」というボタンも出てくる。

Galaxy S25レビュー
Galaxy S25 Ultraのフォーカスエンハンサーで撮った梅の花。「影を消去」ボタンが現れた
Galaxy S25レビュー
確かに影が消えた!

 これらの機能は、編集機能(フォトエディター)の中ではなくギャラリーにあるのが面白いところ。自分で意図して修正や加工するのが「編集」機能で、こちらはAIからの「補正しませんか?」「背景ぼけかけませんか?」という提案、といった違いを明示しているのだろう。

 今はまだその辺が整理されきってない感もあるけど(消しゴム機能が2カ所にあるし)、近いうちに写真を撮った段階で「影が落ちているけど消しときましょうか?」といわれて「よろしく頼む」あるいは「いやそれには及ばぬ」って答える時代が来そうで面白い。

 個人的には、元の写真をちゃんと残しておいてくれるという前提で、どんどん挑戦してほしいと思っていたりします。

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