「Pixel 10/10 Pro」は何が進化した? 先代Pixel 9シリーズ3機種とスペックを比較する(1/2 ページ)
Gogoleは8月21日1時(日本時間)、スマートフォンの新製品「Pixel 10」シリーズを発表した。日本でも同日から予約を受け付け、8月28日に発売する。1年前に登場したPixel 9/9 Pro/9 Pro XLから何が変わったのか。
Gogoleは8月21日1時(日本時間)、スマートフォンの新製品「Pixel 10」シリーズを発表した。日本でも同日から予約を受け付け、8月28日に発売する。販路は、Googleストアに加え、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアとなる。
本記事では、このPixel 10/10 Pro/10 Pro XLについて、1年前に登場したPixel 9/9 Pro/9 Pro XLから何が変わったのかをまとめる。なお、Pixel 10シリーズにはPixel 9シリーズと同様に折りたたみのPixel 10 Pro Foldもあるが、ターゲットやカテゴリーがストレートタイプのスマートフォンとは大きく異なるため、この記事では除外している。
Pixel 10シリーズ共通の進化
Pixel 10シリーズは、AIの進化がめざましい。心臓部には、初代Tensor以来で最も進化を遂げたとされるカスタムシリコン「Google Tensor G5」を採用。Google DeepMindと共同開発され、最新のGemini Nanoモデルを実行し、さまざまなAI機能を利用できるようになった。Tensor G5は先代のTensor G4と比較し、CPUは34%高速化し、AIや機械学習の計算を行うTPUは最大60%性能アップしているという。
AI機能では、新機能「マジックサジェスト」を搭載した。これは、メッセージや電話などのアプリ間で、ユーザーの状況に応じた情報やアクションを先回りして提案し、アプリ間の移動を減らすことで、よりスムーズな操作を可能にする。
異なる言語で通話をする際に自分の声色でリアルタイム通訳する「マイボイス通訳」、Geminiと連携してカメラ撮影時に最適な構図を教えてくれる「カメラコーチ」も、Tensor G5の処理性能を生かした機能だ。
Qi2ワイヤレス充電に対応した新しいマグネット式アクセサリー「Pixelsnap」も登場した。
Pixel 10とPixel 9を比較:無印モデルで初めて望遠カメラを搭載
Pixel 10とPixel 9を比較すると、全体的なスペックが底上げされている。
まず、本体サイズはPixel 10が72×152.8×8.6mmで、重さは204gだ。一方、Pixel 9は72× 152.8×8.5mmとわずかに薄く、重さは198gと軽い。Pixel 10とPixel 9の本体サイズの差は、厚さ(奥行き)が0.1mm違うだけで、Pixel 10の厚さが8.6mmであるのに対し、Pixel 9の厚さは8.5mmとなっている。横幅と高さはどちらも同じだ。
カラーバリエーションは、どちらも4色展開という点では共通しているが、新色の有無に違いがある。Pixel 10がObsidian、Indigo、Frost、Lemongrassの4色なのに対し、Pixel 9はPorcelain、Obsidian、Wintergreen、Peonyだった。新色感が強いのは、ビビッドなIndigoだろう。
ディスプレイは両モデルとも6.3型の有機ELで、解像度やリフレッシュレート(60〜120Hz)は同じだ。しかし、ピーク輝度はPixel 10が3000ニトと、Pixel 9の2700ニトよりも明るい。
Pixel 10とPixel 9のディスプレイ。実機画像では、違いが伝わりづらいが、Pixel 10のピーク輝度は3000ニトと、Pixel 9の2700ニトよりも明るくなった。ディスプレイのサイズは6.3型で同じだ
プロセッサは、Pixel 10が新しいTensor G5を搭載しているのに対し、Pixel 9はTensor G4を採用している。メインメモリはどちらも12GBだ。
バッテリー容量は、Pixel 10が4970mAhで、Pixel 9の4700mAhを上回る。駆動時間もPixel 10は30時間と、Pixel 9の24時間より長い。ただし、駆動時間はメーカー公称値であり、使い方によっては公称値より短く感じる場合があるので、あくまで参考程度にとどめておくといい。
カメラの項目を比較すると、広角カメラはPixel 10が4800万画素の1/2型センサーであるのに対し、Pixel 9は5000万画素の1/1.31型センサーと画素数はPixel 9の方が高い。
左がPixel 10、右がPixel 9。Pixel 10は望遠カメラが加わり、カメラバーの狭いスペースに3つのカメラが収まる構造となった。Pixel 9と比べると、LEDフラッシュが収まるスペースはより狭くなっている
しかし、Pixel 10は無印モデルとしては初めて望遠カメラを搭載し、光学ズーム5倍、超解像ズーム最大20倍が可能になった。Pixel 9には望遠カメラがなく、超解像ズームは最大8倍にとどまるため、無印モデルで遠くの被写体を撮影したいなら新しいPixel 10がいい。
価格は、128GBと256GBともPixel 9から据え置きとなった。その他の仕様としては、どちらもネットワーク規格がWi-Fi 7に対応し、SIMはnanoSIMとeSIMのデュアル対応、スピーカーはステレオとなっている。防塵(じん)・防水の等級はIP68で、完全な防塵構造を備え、かつ水没に耐える防水構造を持つ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「Pixel 10」シリーズ発表、AIがより高度に進化 頑丈になった「Pixel 10 Pro Fold」、心電図計測できる「Pixel Watch 4」も
グーグルが8月21日、「Google Pixel」シリーズの新製品を発表した。Pixel 10シリーズは、進化したプロセッサ「Google Tensor G5」を搭載し、より高度なAI処理が可能になった。Pixel Watch 4は、日本向けモデルとしては初めて心電図の計測に対応した。
「Google Pixel 10」が8月28日に日本上陸 望遠カメラをプラスして12万8900円から
Googleの最新スマートフォン「Pixel 10シリーズ」が発表された。メインストリームを担う「Pixel 10」は、アウトカメラに「望遠」を加えたトリプル構成になっていることが特徴だ。
「Google Pixel 10 Pro/10 Pro XL」8月28日発売 望遠カメラが最大100倍の“超解像ズーム Pro“に進化
グーグルが、Pixelシリーズの最新モデル「Pixel 10 Pro」と「Pixel 10 Pro XL」を8月28日に発売する。Pixel 10よりも高いカメラ性能やメモリ、バッテリー性能を実現している。AIによる画像復元技術を活用し、最大100倍の超解像ズーム Proを利用できる。
「Pixel 10 Pro Fold」発表 折りたたみスマホ初のIP68の防塵・防水対応、バッテリー増量で26万7500円から
Googleは折りたたみスマートフォンの新型「Google Pixel 10 Pro Fold」を発表した。Google ストアにおける販売価格は26万7500円(税込み)からとなっている。予約販売は8月21日から開始し、10月9日に発売する。
「Pixel 9/9 Pro/9 Pro XL」は何が進化した? 「Pixel 8/8 Pro」とスペックを比較する
2024年のPixel 9シリーズは、従来の無印とProだけでなく、Pro XLが追加され3モデルに。Pixel 9/9 Pro/9 Pro XLはPixel 8/8 Proから何が変わったのかをまとめました。プロセッサはGoogle Tensor G4を搭載し、アウトカメラのデザインを刷新しています。