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「AQUOS R10」のカメラはR9と比べてどう? 撮り比べて分かった“進化”荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/3 ページ)

パッと見で先代と変わりない外観をしている「AQUOS R10」だけど、実はカメラを撮り比べてみると結構あれこれ変わっている。どれくらいの変化なのか、作例と共にチェックしてみよう。

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実は大きな差が出た「ホワイトバランス」勝負

 ここまで差があると、別の面でもチェックしたくなるよね――ってことで、もう1つ、テストすべきことがあるのだった。スペクトルセンサーの搭載によって、オートホワイトバランスの精度は上がったかだ。

スペクトルセンサー
AQUOS R10(左)とAQUOS R9(右)のカメラユニットを見比べる。R10の広角カメラの下に追加されているのが、スペクトルセンサーだ

 この辺りは屋外撮影ではそうそう差は出ないので、ちょっと意地悪なテストをしようと思う。ホワイトバランスって、背景が「単色」のときに崩れやすいのだ。色の情報が限られるからね。

 例えば、木の机。そこに、まっ白なミニカーを置いて撮ってみる。すると、AQUOS R9は白いポルシェが青白くなってるのに対し、AQUOS R10はきちんと本来の色が出ている

 予想以上に差が出て、びっくり。

白いミニカーの色味が全然違う件
AQUOS R9は白いミニカーが青白くなってしまったのがよく分かる。その点、AQUOS R10は本来の色が出ている

 背景を緑にした場合も、結構差が出た。

 ちょっと意地悪な比較だけど、木の机に置いたものを撮ったとき、色がちょっとずれるのは他のスマホでもまま見られるわけで、大事なポイントだ。

やっぱり差が大きい
AQUOS R9の方はちょっと色がついてしまっているのが分かる。全体に暗めなのは、白の明るさを抑えようとしちゃったのかな……

 続いて、普通の室内で人物を撮ってみる。これはさほど差は出なかったけど、よく見ると肌の調子がちょっと違う

外光と室内光のミックス
外光と室内光がミックスしたシーンで。色情報が豊富なせいか、こちらはそれほど差は出なかった

 ではここらで、R10で撮ったものを1枚。鏡ごしに目線をもらってみたらちょっと面白かったので「2x」で撮ってみた。

面白い
鏡ごしに目線をもらってみたらちょっと面白かったのでサッと撮る

 AQUOS Rシリーズといえば料理モード、ってことで料理も撮り比べてみた。AQUOS R10の方が明るくて、きれいに撮れている(ちょっと明るすぎる気もするけど)。

料理
外光が少し入る店内でサラダプレート。思ったより明るさに差が出た

テキストの「影取り」が追加された

 で、料理モードといえば「影を消す」機能も定番だ。撮影時に影を消す処理をしてくれるのだ。めっちゃ分かりやすい例、いきますね。

 元がどんな状態かは、撮影時のスクリーンショットを見てもらうと一目瞭然。店の照明の関係で、手に持ってるスマホの影が思いきり落ちているのが分かる。

ランチ撮るぞ
ランチを撮ろうと思ったら、店の照明位置の関係で思いきり皿に影がかぶってしまってやばい、の図

 そんなときは、「影を消す」機能をオンにすればいい。見事に消えるのである。

 拡大してガン見すると、影を消した所は微妙にディテールが落ちてるけど、元が元だけに見事としかいいようがない。

影
「撮影画面で出ていた濃ゆい影はどこ?」というくらい見事に消してくれた。よーく見ると、ちょっと名残はあるけれど、かなり頑張ってくれた。これはよい

 さらに、AQUOS R10では「テキストの影を消す」こともできるようになった。

影が落ちちゃう
本を撮ろうと思ったら、どうやっても影が落ちてしまうの図

 このかなり強い影が、この機能を使うと見事に消える。文字がちゃんと読めるようになった。すごいね。

 書類を真上から撮りたいとき、どうしても影が落ちがち。そんなときに特に役立つはずだ。

影が消える
影が特に強かったところは、ちょいと名残が残ってしまったけれど、これは頑張った。なお、撮影したのは拙著の「古地図と地形図で発見! 江戸・東京の<はじまり>を歩く」(山川出版社)である

 こちらは、戦時中の東京の区分地図(著作権は切れてます)。これを「テキスト」と判断して影を消してくれるとありがたいなあと思って撮ってみた。ちなみにこれは「東京35区」の時代なので、新宿区はまだなく、「淀橋区」「牛込区」「四谷区」に分かれております。

真上から書類を撮ろうとする
書類を真上から撮ろうとすると、どうしてもこんな風に影が落ちちゃうよね

 期待通り、見事に影を消してくれました。

影が消える
見事に影が消えた!  この機能、ありがたい人も多いと思う。ちなみに、これは東京市淀橋区(現在の東京都新宿区の西部)の地図。戦前の新宿駅は、淀橋区だったのだ。(松栄堂「携帯用折畳式大東京地図」より:昭和18年刊)

 これ、ついでにエッジも検出して台形補正してドキュメントとしてPDFで保存する機能とか欲しいくらい。

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