「AQUOS R10」のカメラはR9と比べてどう? 撮り比べて分かった“進化”:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
パッと見で先代と変わりない外観をしている「AQUOS R10」だけど、実はカメラを撮り比べてみると結構あれこれ変わっている。どれくらいの変化なのか、作例と共にチェックしてみよう。
見た目以上に進化していたAQUOS R10なのだった
かくして、AQUOS R10はAQUOS R9と比べて予想以上に進化しているのだった。
もう1つ、暗所での撮影にも強くなったのも取り上げておきたい。
これに関していえば、色や明るさはR10の方が正確だけど、人形の顔の色はR9の方が好ましいかな。R9の方が全体に明るく処理されているので、人によってはこっちの方を好ましく感じるケースも多い気がする。けれど、より現実に近い写りなのはR10の方だ。
さてこの2枚。人形の顔のアップを見てみると、R10の画像処理がレベルアップしているのがよく分かる。
R9の方が人形の肌は滑らかなのだけど、これ、本来はR10のようにざらついてるのが正しいのだ。R9の方は、ディテールがちょっとつぶれちゃっているのである。
他にR10の新機能として「オートマクロ」がある。最近のハイエンドスマホでは大抵搭載しているもので、至近距離で撮ろうとすると、自動的により近くにピントが合う超広角カメラに切り替わり、そこから1x相当(23mm相当)のエリアを切り出すというものだ。
広角カメラと比べると画質はちょっと落ちるけど、より近くまでピントが合うようになる。
こんな感じかな。
では、最後に他のAQUOS R10の作例を。
ポートレートモードは「動物」と「人物」を選べるのが面白いところ。今回は動物で。毛並は「ふんわり」めにしている。
ただポートレートに関しては、2xでのポートレート撮影ができるようになったのは嬉しいけど、ちょっとエッジの処理とかに甘いときはあったかな。
続いて超広角の作例として、遠近感が強く出るヤツを。主要被写体が何であるかはまあ見ての通り。
せっかく「デジタルズーム時の画質が良くなった」ということで、「3x」の望遠でひまわりを撮ってみた。撮影時は夏だしね。
人物作例も行こう。これは2xで撮影。後ろにハトがいた。
最後は青空もの。青空と畑と建物だ。空の青の描写が、前モデルから少し変わっている。個人的には、今回の方がいいかな。
というわけで、今回は「見た目」も「アウトカメラのスペック」もパッと見では変わってないけれど、実はスペクトルセンサーがついてホワイトバランスの精度が上がったとか、何気に暗所やデジタルズーム時の画質が上がったとか、なんとドキュメントの影も消してくれるようになったとか、進化ポイントが幾つかあるよというので、ホントにそうなのか確かめてみよう、とAQUOS R9と対決させてみた。そうしたら、予想以上に進化していて感心した、という結論になったのだった。
シーンによっては「前モデルの方が好みだった」という人もいるだろうが、全体としてはカメラとしてレベルアップしていると言っていい。デジタルズーム時の画質が格段に上がったのは朗報だ。
個人的に「これはいい!」と思ったのは自動的にテキストの影を消す機能かな。ぱっと画像メモ代わりに撮る時、あるいは、さっと紙の文書をデジタル化したいとき、影があるとやっかいだからね。
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