「Xperia 10 VII」レビュー:「即撮りボタン」搭載のカメラや新デザインで“積極的に選べる”完成度に 不満点は?(2/3 ページ)
約168gの軽量ボディに物理シャッターボタンを初搭載したXperia 10 VII。親指がちょうど届く絶妙な配置で、縦持ちのままワンタッチスクリーンショットが可能になり、1秒以内のカメラ起動で決定的瞬間を逃さない。ミドルレンジながらも妥協のない完成度で日常の撮影体験が劇的に向上する。
19.5:9に変更したディスプレイは功罪相半ば
6.1型有機ELディスプレイは、アスペクト比が従来の21:9から19.5:9に変更された。これはXperia 10シリーズで初の採用となる。解像度はフルHD+(1080×2340ピクセル)、リフレッシュレートは前機種の90Hzから120Hzに向上した。
操作時の速度差はあまり感じないが、XやBlueskyなどSNSをスクロールする際は滑らかだった。ミッドレンジで120Hz駆動が増えており、本機も今どきの標準仕様を満たした。
新しいアスペクト比によって、16:9コンテンツを表示する際、従来より左右の余白が減った。映像のほとんどは16:9なので、動画視聴では改善といえる。一方で変化が大きいのはマルチタスクで、縦に2つのアプリを並べた際のスペースが減った。
アスペクト比変更の影響は、マルチタスクで顕著に出る。YouTubeの動画を再生しながらX(旧Twitter)を開いてキーボードを表示すると、余白がほぼなくなる。Xperiaの特徴だった縦長マルチタスクの使いやすさが損なわれた点は惜しい。
横持ちでもふさがないフロントステレオスピーカー
フロントステレオスピーカーは左右均等に配置され、音質は非常にクリアだと感じた。横持ちしたとき両手で包むように持ってもスピーカーをふさがないため、ベッドで映像配信を見る際に役立つ。
本体の振動を減らす新しい構造で、低音域から中低音域に厚みが出た。Bluetooth送信出力は前機種比2倍で、AAC接続時のアダプティブビットレート対応により、接続が不安定な際も音質を調整して接続を優先する。
3.5mmイヤフォンジャックを引き続き搭載しているのもうれしい。最近のスマートフォンでは省略されることが多いが、Xperiaシリーズは有線イヤフォンユーザーに配慮した設計を続けている。
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