「ドコモSMTBネット銀行」で何が変わる? ドコモのサービス連携でdポイントがお得にたまり、解約抑止につなげる(2/2 ページ)
NTTドコモ、三井住友信託銀行、住信SBIネット銀行は、住信SBIネット銀行の商号を2026年8月3日から「ドコモSMTBネット銀行」に変更する。3社の強みを生かし、「くらしと金融の境目のない未来」を目指す。金融サービスとの連携でdポイントがよりお得にたまるようになり、流出抑止にもつなげる。
三井住友信託銀行は資産管理や承継で強みを発揮
三井住友信託銀行は、家計簿機能や家計のシミュレーションなどができるアプリ「Smart Life Designer」を進化させ、アプリの利用でdポイントがたまる「Smart Life Designerポイントプログラム」を2026年1月13日に開始する。これに合わせ、定期預金の優遇金利やポイント進呈を行う新たなキャンペーンも開催する。
三井住友信託銀行 代表取締役社長の大山一也氏は、資産管理、承継領域でもシナジーを発揮していくことを話す。「急な相続、あるいは将来の資産承継、資産凍結に備えている人は決して多くない。例えば、ドコモのお客さまだけでも、お亡くなりに伴う手続きが年間数十万件程度ある。こうしたお悩みの際に、時間や場所を問わず、インターネットで気軽に相談し、手続き代行や専門家への相談などを受けていただく。信託銀行として長年培ってきたノウハウとドコモのデジタル技術を活用することで、身近なサービスとしてお届けしていきたい」
ドコモが持つアセットを生かした提携も視野に入れている。例えば、「ドコモのエンタメアセットを金融商品化し、ポイントやイベント招待など、ドコモならではの特典を付加し、投資を楽しむ新しい体験を提供する」ことを想定している。
住宅ローンについては住信SBIネット銀行と競合するが、「定型化された住宅ローンは、ネット銀行に優位性があるため、積極的に住信SBIネット銀行を紹介していきたい」と大山氏は言う。三井住友信託銀行は「富裕層の融資にリソースを配分」することですみ分けを図る。
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