新ハイエンド「OPPO Find X9」が発売直後から好調のワケ シリーズ初のFeliCa採用の真意、折りたたみの可能性は?(2/2 ページ)
オウガ・ジャパンが2025年12月に発売した「OPPO Find X9」は、シリーズ初のおサイフケータイに対応した。実験的な色合いが濃く、グローバルモデルに仕様が近かったFind X8とは違い、Find X9はより日本市場に根付くハイエンドモデルとして導入した印象が強い。Find X9導入で弾みをつけ、よりバリエーションを広げることができるのか。
AIマインドスペースは「他のOSにも展開してほしい」と思うほどの完成度
―― 1年の進化でバッテリー容量が1000mAh以上増えたのも、かなり大きいと思います。なぜここまで大容量化できたのでしょうか。
中川氏 Find X8は5800mAhでしたが、今回は7025mAhになっています。弊社内で第3世代になるシリコンカーボンを使い、よりエネルギーを高密度化して、寿命と持続力をアップデートしています。
河野氏 どのメーカーも同じことを言うかもしれませんが、今のスマホは内部で場所の取り合いになっています。Find X9に関していえば、センサーサイズをコンパクトにできたこともあり、より人間工学に基づいた、言い方を変えるとよりクラシカルなサイズ感のスマホに戻すことができたと考えています。
―― 確かにデザインも、いかにも「カメラスマホ」ではなくなっていますね。
河野氏 Find X8は円形のカメラリングでした。ここには2つ意味があります。1つは、センサー的にこの位置に置くしかなかったということ。もう1つは意匠としての意味合いで、カメラっぽい、カメラだと思ってもらえるというメリットがあります。
ただ、Find X8もそうですが、円形のリングは撮影時に指がかぶるという意見が非常に多い。スマホの扱いに慣れた方はそんなことないとおっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方は指がかぶっていると思います。
―― 逆に、カメラのすごさが見た目で伝わらない心配はありませんでしたか。
河野氏 グローバルではハッセルブラッドと2022年から協業しているので、それほど強く推さなくても伝わるのだと思います。日本においては2年目、2回目のハッセルブラッドですが。
―― 今回は、「OPPO AI」にも新機能の「AIマインドスペース」が加わりました。スクリーンショットを撮っていくだけできちんとアクションが提案されて、なかなかすごいなと。発表会会場で試してみましたが、サイトを保存しただけできちんとタスクリストが作られました。
河野氏 欲を言えばOPPOだけでなく、他のOSにも水平展開してほしい。それぐらい、よくできています。ここで完結してしまうのが、ちょっともったいないですよね。LINEでもいいですし、カメラを起動して写真を撮るのでもいい。スケジュールに関係のないものも、タグ付けした上で保存してくれます。
その土壌を耕すという意味で、Reno13 Aでは「まずAIを使ってみませんか」と訴求しました。OPPOは後追いではありますが、中国なので海外の大規模言語モデルが使えず、自分たちで開発していくしかなかった。その中で独自性も出せているのだと思います。これも後追いになってしまいますが、2024年からAIデータセンターも作りましたし、投資額もかなりの額になっています。
2026年もハイエンドモデルを出したい 折りたたみの可能性は?
―― 販路についてですが、auでの販売に加えて、ソフトバンクの「Free Style」でも取り扱われています。ドコモはどうでしょうか。
河野氏 ドコモについては、2024年に続き、採用をお待ちしているというのが本音です。ただ、ドコモだけの周波数(5Gのn79)があるので、そこへの対応をどう考えるかですね。
―― ソフトバンクのFree Styleは初めての取り組みですが、これはどう見ていますか。
河野氏 新しい試みを積極的にやるのはいいことなので、ぜひということでご協力しています。深く考えているというわけではありません。OPPOは基本的に、年間3モデル構成になっていて、エントリーのAシリーズ、ミドルのReno Aシリーズ、2024年から復活したフラグシップのFindシリーズを出しています。2025年はもう1つ、ミドルハイの「OPPO Reno14 5G」を投入しましたが、こういったものをご採用いただく際にどういう形になるのかは興味があります。
―― FeliCaも載せ、販路も広がったとなると出荷台数も増えているのでしょうか。
河野氏 目標台数は3万台を見込んでいます。これは、全ての販路を合わせてです。Find X8は2万台だったので、増えています。
―― ハイエンドだと、このぐらい売れれば合格という数値でしょうか。
河野氏 合格です。謙虚にしているわけではありませんが、(より数が出ている)他社はより長く日本で商売されています。私どもはまだ実績を出した期間も短いですから。
―― ただ、この反響だと2026年もハイエンドは出せそうですね。
河野氏 はい。今回の反響を見て、2026年も行きたいなと思っています。
―― ハイエンドという意味だと、OPPOはフォルダブルスマホもなかなか魅力的な製品を開発しています。こちらについてはいかがでしょうか。
河野氏 以前のインタビューでも申し上げましたが、日本に住む私自身が安心、安全だと思える体制を確保できませんでした。フォルダブルスマホはどうしても経年劣化でフィルムの貼り替えが必要になってしまう。「OPPO Find N5」では10万回の折り曲げ試験をクリアしていますが、日本は高温多湿で、なおかつ電車の中で使う方や、逆にまったく電車に乗らない方など、ユースケースの幅も広い。
販売体制の拡充ができなければ難しいという点は変わっていません。折りたたみモデルは、プリントゴッコのような装置でガチャっとフィルムを交換しますが、あれを全国に配置するのかという問題があります。
ただ、工場での試験通りであれば、フィルムの貼り替えなしでもいけるのでは、とも思い始めています。技術の進歩は大きいですから、貼り替えの心配なく使ってもらえる水準まで上がってきています。
―― やはりキャリアと一緒に投入するという方針でしょうか。
河野氏 お客さまは大事ですが、販売パートナーも大事で、自社で完結するようなことはやっていません。仮に出すとなっても、特別な理由がなければ販売パートナーと一緒にやっていきたいと考えています。
取材を終えて:差別化を図るにはハイエンドスマホの投入は必須
日本向けにカスタマイズしたFind X9を投入した背景には、2024年に投入したFind X8の反響が想定以上だったことがあるようだ。auでの取り扱いも決まり、販路が広がったことを受け、販売目標はFind X8以上に高く設定している。コストパフォーマンスの高いReno Aシリーズのイメージが強かったOPPOだが、この価格帯は激戦区。XiaomiやNothingなどが参入したことで、ユーザーの選択肢は広がっている。
このような中、メーカーとして差別化を図るには、やはりFindシリーズのようなハイエンドモデルの投入は必須といえる。こうした機能の一部をReno Aシリーズに落とし込んでいければ、ミドルレンジモデルの評価もさらに高まるはずだ。ラインアップはまだまだ限定的だが、2026年はフォルダブルスマホの投入などにも期待したい。
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